UNTITLED ページ20
付き合い始めてからも日が浅い今日この頃。
＿＿嫌がらせを、受けるようになった。
「ねーねーAちゃん!」
その実行犯が、私に話しかけてくる。隣の席にはその彼女が少し前に「大好き」と公言していた彰人がいるにもかかわらず、だ。
女というのは恐ろしい生き物である。
「…はい」
私はその事に気付かない振りをしながら、彼女に返事をした。
前に彰人関連で揉めていた女子一人が、SNSで個人情報を拡散された話は有名だ。それが故「あいつに目を付けられると社会的に殺される」と彼女は言われている。
私は社会に晒されたら一発で終わる立場にいる。だからか彼女に付いて行った。
「最近Aちゃんさー、彰人君と仲良いよね?」
「…話の趣味が合うだけです」
私と彰人が付き合っていることは公言していない。彰人が傷つくのを恐れて、私は嘘をついた。
「ふーん…付き合っているとかじゃ、無いんだ?」
「…はい」
「んなわけないよねぇ!!?」
彼女はいきなり大声を出した。
「この前も言ったじゃん、離れろって!!彰人君は私の将来の彼氏なの!!邪魔しないでよ!!!」
噛みつくように彼女は続けた。
「これ以上私の邪魔をするんだったらさ…晒すから♡」
可愛らしい笑顔でさらっとそんな事を言う彼女が恐ろしくて。
「だから、距離、置いてくれる?」
「…わかり、ました」
私は頷くしかなかった。
「＿＿距離を置いてほしい?」
「はい」
それだけ伝えられた彰人は「は?」という顔をしていた。
そりゃそうだろう、付き合って一週間もないのに距離を置いて、なんて言われて当然の反応だ。
「何でだよ」
「…暫く、作曲に集中したいんです」
「嫌だ」
彰人は私の言葉に大声で「NO」を唱えた。
「またスランプか?」
「まぁ……そんなとこです」
「それは嘘だな、Aはそう言う事は最初に言うだろ」
＿＿何か別の原因か?と聞かれる。本当のことを言ってしまえば私の音楽人生は終わる。ビビバスの皆だって被害が及ぶだろう。
「…言えません」
「そうかよ、じゃあさっきの言葉は撤回だな」
そう言って冬弥の所に向かう彰人の背中を見続ける。
じゃあ…私の方から距離を置くしかない。
「彰人君が断ったかぁー。絶対彰人君アイツに気があるよねぇー。」
「だよねー、あんなメガネ、何処がいいんだか」
「でもいいよ」
「Aちゃんが不登校になるまで、構ってあげればいいんだからさ」
そう言ってクスクス笑う彼女たちの言葉を聞こえない振りをして、私は伊達メガネを拭いた。
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Luna(プロフ) - ヤバい、好き…それで泣きそうめっちゃ泣きそう…｡ﾟ(ﾟ´Д｀ﾟ)ﾟ｡ (2021年4月25日 0時) (
レス) id: d4a00b7e76 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん(プロフ) - 死ぬっていう展開の時に失礼かもだけど、やっぱりこの作品好きだな…… (2021年4月24日 13時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - ありがとうございます。お話は全然変えなくて大丈夫です。このままの方が作者様のオリジナルの素晴らしい作品になるのでそこに私が入ってしまうとなんか違う気がしますので、最後まで応援させていただきます。本当にありがとうございます。 (2021年3月17日 18時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
キリノ(プロフ) - のんちゃんさん» 感想ありがとうございます。物語の結末はもう決まっていて、ここから変えてしまうのは不可能ですが最後まで応援していただけると嬉しいです。知り合いの方には、ご冥福をお祈り申し上げます。私も経験しているので心中お察しします。不快になられてしまったらすみません (2021年3月15日 20時) (レス) id: fda9b97bde (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - 暗い話をしてしまい、ごめんなさい。嫌でしたら、コメントを消してくださって構いません。 (2021年3月15日 19時) (レス) id: bc0f9be876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キリノ x他1人 | 作成日時：2021年2月26日 10時
