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『烏野の10番くん…、私と同じくらい…?』
スターティングメンバーの中に、"コート上の王様"と言われている9番の影山君と男子のMBにしては小さい10番の日向君。
笛の音で始まった烏野のサーブは青城がキレイに上げ
前衛にいる岩泉さんと松川さんが飛び出してくる。
及川さんは誰を使う…?
『!?』
トスを上げるかと思った及川さんはいきなりツーアタックを仕掛けてきた。
それも大胆に。
烏野の気持ち、わからなくはない。
初っ端からこれはムカつく…!
代わって青城のサーブ。
松川さんのサーブは烏野の1番が拾い上げた。
「オレに来ォーい‼」
そう言って飛び出してきた10番君。
踏み込んで跳んだ彼のとこにドンピシャと言わんばかりの超速攻。
え、待って何あれ速すぎない…?
てか10番君目瞑ってたよね?
セッターあんな正確に上げることできる?
しかしそう考えているのもつかの間、惜しくもレシーバーに拾われボールは宙を舞う。
及川さんはさっきよりもあからさまなスパイク
『あ、これ……』
___トス上げる、そう思った時にはすでに岩泉さんにボールが飛んでいて烏野のコートへと落ちる。
次の攻撃も10番君は「持って来ォォい!」と叫んで跳んだが、ボールは上がることなく9番君がツーで返した。
後ろにいる3番に行くと思ったのに…。
ツーでやり返すって負けず嫌いかよ。
それとも及川さんに張り合ってるのか。
ようやく1点を取った烏野はツー返しをした影山君のサーブ。
ジャンプサーバーか。
威力はなかなかだったけれど、特大ホームラン。
盛大にふかしていた。
何時ぞやの工と一緒だ。
そのあと及川さんが手本として見せたかったであろうジャンプサーブは軌道を的確に読んだリベロが上げ
影山君、日向君へと運ばれ青城のコートへ落ちた。
目線でブロック惑わせたな今。
それにしても……。
身長で劣っている日向君が見せるスピードとバネ。
目を瞑っているのは自分が跳んだところに必ずボールが来るという信頼なのか、自信なのかわからないけど。
はたまたただ単に目を開けているとタイミングが合わないだけか。
その彼の打点に合わせるように正確なトスを上げる影山君。
日向君の助走、あれはファーストテンポよりもかなり速い。
ゼロ?マイナス?
どっちにしろ見たことない。
彼らが変人速攻の正体で間違いないかな。
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作者名:*のあ* | 作成日時:2020年4月24日 3時