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私が踵を返すよりも早く松川さんに気づかれてしまい、"付き合い始めた"と言われながら指をさされた。
付き合い始めた?最近?
これはあれか、告白の方でしたか。
ていうか巻き込まれた?
え、やめてほしいんですけど!?私その女の子に恨まれたくない…!
私と松川さん1ヶ月前に知り合ったばっか!!
「え、あっ……そうだったんですね…。
引き止めちゃってごめんなさいっ…」
告白していた女の子は松川さんの言葉を信じたのか私を見て諦めたみたい。
そして、軽く会釈をしてその場をあとにした。
行っちゃった…。
松「助かったよAちゃん」
『助かったじゃないですよ…。
私来なかったらどうするつもりだったんですか』
そもそもJKなりたての他校生が彼女だなんて頭が切れる人だったらすぐバレる嘘を。
というツッコミどころ満載なのですが、松川さん。
松「Aちゃんが丁度来なかったとしても断るつもりだったし。知らない子だから」
断るつもりだったんだ。
てか、知らない子だったの。
及川よりモテてたらどうしよーって言っていた彼に
冗談は程々にと言いたいところだけど絶対いると思うんだ。
だって試合中チラって見たけどアレだよ。
汗(水)も滴るいい男的な?
単純にカッコよかったっていう話。
きっとさっきの彼女はこれに恋愛感情が入ったってとこな。
一目惚れして、試合見て、興奮した勢いで告白ってとこだろう。
モテる人は大変なんだなぁ。
松川さんを横目にボトルを洗っていた私は密かにそう思った。
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白「ウチのマネージャーに何手出してるんですか」
松「セッターくんのお迎えか…。
お宅のマネちゃんとバッタリあったから一緒に来ただけ。
ね、Aちゃん」
ボトルを洗い終わるまで一緒にいてくれた松川さんと体育館に戻ると、入り口のところに立っていた賢二郎さんと遭遇。
きっと私のこと探してたのかな。
賢二郎さんは私らを見つけた途端隣にいた松川さんを睨んでいる。
松川さんに喧嘩売りそうな勢い…。
『賢二郎さん、何もないんで大丈夫ですよ?
それじゃあ松川さんお疲れ様でした!』
これ以上一緒にいたらブラック賢二郎さんになりかねない…。
抱えていた籠で賢二郎さんを押しながら松川さんと別れた。
最後の最後に一悶着起こりかけたけど3日間のIH予選が幕を閉じた。
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松「俺の入る隙ないなぁ…(ボソッ」
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作者名:*のあ* | 作成日時:2020年4月24日 3時