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リッチなタクシー移動をした私は余裕で試合会場に到着。
2000円近くしちゃったよ。
割と距離あるから仕方ないけど。
部費から交通費請求していいかな…。
いやさすがに私情だし無理か。
瀬「あ!A!!」
『げっ』
いかにも最初から居ましたよ感で鷲匠監督のところに向かったのに、呆気なくバレてしまった。
ちなみに今は公式練習。
どうやら少し前の試合が早く終わったためすでにアップを始めているみたい。
英太さんの声で選手全員の視線はボールではなく私のところに向けられた。
賢二郎さんと太一さんの仏頂面よ。
今は取り敢えず、無視。
『おはようございます』
斉「おお、ちゃんと間に合ったか。
で、どこの試合見てきたんだ?」
『青葉城西と烏野ってとこです。
結果的に青葉城西が勝ちましたけど、フルセットまで持っていって互角に戦ってましたよ。
烏野に面白い1年生コンビいまし』
斉「烏野…?あぁ、あそこか。で、面白い1年っていうのは?」
『北川第一の影山飛雄くんと日向翔陽くんです。
日向くんの中学は知らないですけど。
あの二人、神業レベルの速攻使ってました』
斉「神業…?
影山くん青城に名前ないと思ったら烏野に行ったのか。そうかそうか」
『先生知ってるんですか?』
斉「影山くんウチに一般入試で受けて落ちてるんだよ」
え、影山くん白鳥沢に一般で受けてたの?
推薦とか来てそうだったけど。
鷲「ふんっ、あんなスパイカーに尽くせないセッターなどウチには要らねえよ」
鷲匠監督は私らの会話に興味を示してないと思っていたけど、どうやらしっかりと聞いていたようだ。
監督の言っていることはきっと自分中心の、スパイカーの意志を無視したトスを上げているってことかな。
現に1セット目に焦りで攻撃が前のめりになっていたから。
『でも彼らが飛び立つ瞬間、白鷹は襲われるかもしれませんよ。
ドリンク準備してきます』
斉「?」
敗北は少なからず彼らの成長を促すだろうね。
『皆さんドリンクでー…なんでしょうか太一さん』
川「何か俺らに言うことは?」
ドリンクを準備して戻ってきたら相変わらず仏頂面の太一さん。
『んーーー。LINE無視してごめんなさい?』
川「ちげーよ!いや違くねえけど。心配してたんだぞこっちは」
『ふふっ、すみません。ほら、早く整列しないと監督にどやされますよ』
そんなやり取りをしていたら監督の怒号が飛んだのは言うまでもない。
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作者名:*のあ* | 作成日時:2020年4月24日 3時