第2話 出会い ページ4
Aは鬼殺隊隊士として山道を登っていた。次の任務のところまでは山道を進むしかないらしい。高い位置は好きだ。月が近くに見えるから。だが登るのはやはりきつい。
「終わったと思ったら次の任務だなんて、そんなに鬼は多いのかい？大変だね」
鎹烏はその通りだ、と言う風に頷いた。その烏の首には三日月の飾りがある。とてもいい色のその飾りはAのお気に入りだ。
「疲れたから一休みしたいのだが――――――どうやら出来なさそうだ」
ガサガサと木の葉が揺れる音。足音。声。近づくにつれて大きくなる。
「なあ、炭治郎〜、やっぱり俺じゃ無理だよ〜。俺がいたって、何の役にも立てないんだしさ〜」
そこにいたのは、最終選別で会った花札の耳飾りの青年と、ずっと泣いていた黄色い羽織の青年だ。
「なんだ、君たちか」
「うひゃぁぁぁぁぁ出たぁぁぁ！！」
「わっ、人！？」
Aがひょこっと出ていくと黄色い羽織の青年は思い切り叫んだ。すごい顔だ。画的に大丈夫か聞きたいくらい顔面が崩壊している。
「そんなに驚かないでよ。7日間同じところで過ごした仲じゃないか」
炭治郎も黄色い羽織の子も、そう言われてAを見た。最終選別前、嬉々として山奥に入ったいった子だ。衝撃だったのでよく覚えている。
「あ、満月の人……」
どうやら黄色い羽織の青年はそう呼んでいるらしいり。ある意味特徴を掴んだ呼び方にAはクスッと笑う。
「どうも。満月の人こと、月羅紅Aだよ。君たちのことは知っている。竈門炭治郎くんと我妻善逸くんだろう？」
噂は色んなところで囁かれる。
例えば、竈門炭治郎は花札の耳飾りをつけた剣士として鬼舞辻無惨に追われていること。
例えば、我妻善逸はストレスが極限まで溜まると発作的に寝てしまう、だがそのときだけ居合の達人だと言うこと。
噂は怖い。もちろんこの情報を得るためには噂だけではないが。
「何で俺たちのこと知ってるの！？え、純粋に怖い！！」
善逸がこういうリアクションが大きいことも知っている。面白いので理由は黙っておこう。Aは意味ありげに微笑んでおいた。
「さて、竈門炭治郎くん。気になっているんだろう、森を抜けた先。行こうか」
炭治郎は血の匂いが濃くなる森のことを気になっていた。思考を当てられたことに驚く。
不思議な人だ。所作も優雅で、落ち着いていて、まるで月のような人だと、炭治郎たちは思いながら共に山を登った。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！考えてくださった設定があるからこその作品です！書かせていただきありがとうございました！これからも頑張るのでどこかの作品でまた会えたら嬉しいです！ (2020年3月24日 1時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！とても読み応えのある作品で次の更新はいつかといつもワクワクしながら待ってました！笑 これからも頑張ってください！！応援しております！！ (2020年3月24日 1時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 埋夜冬さん» いえいえ、此方こそわざわざ済みません、そうでしたか別物だったのですね、テスト勉強頑張ってくださいこれにて失礼いたします (2019年11月26日 22時) (レス) id: a85ea00e83 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - スノーさん» ごめんなさい！善逸君の名字間違っておりました！すぐに訂正します！指摘ありがとうございます！月の呼吸はフォロワー様から案をいただいたもので、そのフォロワー様もアニメ勢なので別物です。紛らわしくてすみません！ (2019年11月26日 22時) (レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - コメント失礼します、善逸の名前ですが確か我が妻と書いて我妻だったような気がします、それとアニメ勢なら知らないのは仕方ありませんが月の呼吸なるものは原作に出ておりその中でも重要な呼吸でして、それとも原作の月の呼吸とは別の物でしょうか？長文失礼します (2019年11月26日 22時) (レス) id: a85ea00e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年11月3日 0時
