第24話 お父さん ページ26
川に沿って歩いていく。今のところ鬼には会っていない。Aはずっと師匠の気配を探っているのだが、近くにはいないようだ。
ふと炭治郎が後ろを向く。
｢今の音……雷が落ちたのか？｣
｢知るか｣
雷雲はない。我妻くんだったりして、とAは笑う。Aが直感で感じたことのほとんどは正解だ。なら、我妻くんが鬼を1匹倒したなという直感も当たりだろう。あちらは大丈夫そうだ。
｢伊之助、A。俺はちょっと、向こうへ行ってみようと思う｣
｢好きにしたらいいんじゃねぇの｣
｢伊之助は下山するんだ｣
｢は？｣
｢山、下りて｣
｢何でだよ！しねぇよ！！｣
炭治郎は伊之助の怪我が心配らしい。確かに今いる3人の中で彼が一番怪我を負っている。だが伊之助がそう簡単に下山してくれるわけでもなく、また言い合いが始まった。
ん、視線？
｢ッ―――――！2人とも！｣
Aが叫ぶと2人もAが見ている川の向こうを見る。
女の子の鬼だ。あの時見た男の子の鬼と似ている。これが、あの男の子の鬼の家族だろうか。
女の子の鬼は目が合うと森の向こうへ逃げていく。伊之助が追いかけようと向こうへ繋ぐ石を飛んでいこうとした。
｢お父さん！｣
｢誰がお父さんじゃー！｣
｢嘴平くん、上だ！｣
Aが叫んだのと、伊之助の真上に影ができたのは同時で、伊之助はギリギリで避けた。
あの子は今、お父さんと言った。ならやはり、この山にいる鬼は家族ということで間違いない。炭治郎が倒した鬼が"お母さん"だとすれば確定だ。
見た目が完全に蜘蛛。目が9個、牙が何本もあり、Aたちは気圧された。
｢俺の家族に手を出すなァァァァ！！！｣
殴る力で石が割れた。その隙に女の子の鬼は森へ消える。凄い力だ。それに速い。
―――――水の呼吸 弐ノ型・水車
だが刃が通らない。この鬼、あの首無し鬼より硬いのだ。
炭治郎を殴ろうとする腕を伊之助が刀で防ぐ。やはり刃が通らない。Aは2人が動きを止めている間に袈裟斬りを試した。だが傷すらつかなかった。くそっ、どうする！？
蜘蛛顔の鬼が伊之助を追っている間、炭治郎とAは森の中から川に沿って駆けていく。Aが走るスピードを上げる。伊之助と鬼が走りちょうど来る空間を予測する。
――――――月の呼吸 陸ノ型・水無月恋慕
根元付近で木を斬る。木は倒れ、見事蜘蛛顔の鬼は下敷きとなった。
｢竈門くん！｣
炭治郎は水の呼吸をする。纏っている雰囲気が変わり『これで倒す！』と強い意志を感じた。
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埋夜冬(プロフ) - 白澤 晴夜さん» ありがとうございます！考えてくださった設定があるからこその作品です！書かせていただきありがとうございました！これからも頑張るのでどこかの作品でまた会えたら嬉しいです！ (2020年3月24日 1時) (
レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
白澤 晴夜(プロフ) - 完結おめでとうございます！！とても読み応えのある作品で次の更新はいつかといつもワクワクしながら待ってました！笑 これからも頑張ってください！！応援しております！！ (2020年3月24日 1時) (レス) id: 5742d2c832 (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 埋夜冬さん» いえいえ、此方こそわざわざ済みません、そうでしたか別物だったのですね、テスト勉強頑張ってくださいこれにて失礼いたします (2019年11月26日 22時) (レス) id: a85ea00e83 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - スノーさん» ごめんなさい！善逸君の名字間違っておりました！すぐに訂正します！指摘ありがとうございます！月の呼吸はフォロワー様から案をいただいたもので、そのフォロワー様もアニメ勢なので別物です。紛らわしくてすみません！ (2019年11月26日 22時) (レス) id: 87a5a46f37 (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - コメント失礼します、善逸の名前ですが確か我が妻と書いて我妻だったような気がします、それとアニメ勢なら知らないのは仕方ありませんが月の呼吸なるものは原作に出ておりその中でも重要な呼吸でして、それとも原作の月の呼吸とは別の物でしょうか？長文失礼します (2019年11月26日 22時) (レス) id: a85ea00e83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年11月3日 0時
