検索窓
今日:1 hit、昨日:16 hit、合計:160,595 hit

133 ページ13




あんなに馬鹿みたいに好きだった人との別れだから
もっと感傷的になるものだと思っていたけれど

いざ口にしてみたら、事実の描写として淡々と言葉は連なっていった。


忠義はいつもよりも少し真剣な表情で短く相槌を挟みながら私の話を聞いてくれた。


一通り話し終えたときには、心なしかスッキリしている自分がいた。


「Aが思ってたより元気そうで良かったわ。
俺、今日はA慰める覚悟で来たもん」



つくねを齧りながら忠義が言う。



「絶望の淵にいると思った?」


「おん。そりゃあもう、この世の終わりみたいな顔してるんやろうなって思って来た」


にへって悪戯っ子みたいに笑った忠義が
当たり前みたいに自分の食べかけのつくねを私に差し出した。


それをなにも考えず受け取る自分もどうかと思うけれど、
このお店のつくねはすごく美味しくて、忠義が頼むたびに私が「ひとつちょうだい」って言うから忠義が気を利かせてくれたのだ。



残り一口だったハイボールでつくねを流し込んだら、忠義のジョッキも空っぽだったから

話の続きをする前にお代わりを頼むことにした。



「すみませーん。
ウーロンハイひとつお願いします」

「あと緑茶ハイも」


オーダーを取りに来てくれたお姉さんに注文したら
ものの1分も経たないうちに持って来てくれて

また軽くグラスをぶつけて話をつづけた。

134→←132



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (315 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1733人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茜音(プロフ) - クラゲさん» ここが切なさのピークですね、、、そう言っていただけて嬉しいです(笑)!ここからは徐々に息ができるようになっていくはずなので(笑)、あと少しどうかお付き合いください! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - M Mさん» コメントも評価もありがとうございます!一人ひとりの評価は確認できないのでどうなっているかわたしにも分からないのですが、高評価しようと思ってくださっただけで嬉しいです!パート6にも是非遊びにきてくださいね! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - 蒼乃碧さん» コメントありがとうございます!人を好きになるのもそうじゃなくなるのも複雑で、意外と簡単だなーと思うのでそれを意識しながら書いています。描写しつこくないかな?と思いながら書いているのでそう言っていただけて嬉しいです。あと少しお付き合いくださいね(^^) (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - 516516516tさん» 大倉くんほんっとうにここまでよく頑張ってくれました、、(;_;)泣くほど感情移入してくださって嬉しいです(;_;)ヒロインのために帰ったというよりはヒロインの答えを聞くのが怖くてその場から去ったという方が正しいかもです。あと少しお付き合いくださいね! (2018年11月3日 18時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
クラゲ(プロフ) - ただただ切ないですね、、、本当に読んでいるこっちが息もできないです、なんちゃって(笑)どういうエンディングになるのかとても楽しみです更新頑張ってください応援しています。 (2018年10月31日 20時) (レス) id: 391c1a10c6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:茜音 | 作成日時:2018年10月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。