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大きな手が、さらりと私の乱れた髪を撫でた。
伏せていた視線をあげると、ゆるりと目を細めた忠義と目が合った。
色素の薄い瞳
きゅっと口角の上がった唇
少し荒れた頬
章大さんとは何もかもが違う彼と、
ついさっきまでただの同僚だった彼と、身体を重ねたという事実に
不思議とちっとも罪悪感はなかった。
「送り狼になっちゃったね」
ふざけてそう言ったら、忠義は「やな」って短く笑った。
「やって、Aめっちゃ寂しそうにしてるんやもん。
あんなん放っとかれへんわ」
私のことを抱き枕みたいに抱え込んだ忠義がそんなことを言うから
「忠義は優しいね」
まだ呼び慣れていないその名前を口にしたら、彼は照れくさそうに目尻に皺を寄せた。
恋人でも、ただの同僚でもない彼に抱く感情は
とても言葉になんてできなくて、けれどその感情を言葉にする必要すらないと知る。
「もう寂しくない？」
子供に問いかけるみたいに稚拙な言葉が可笑しくって、少し笑ってしまった。
そう訊ねられるまで、章大さんのことをすっかり忘れていた自分も可笑しかった。
襲うような快感は、彼を想う苦しさも、切なさも、忘れさせてくれると知った。
この人に抱かれている間は、章大さんのことを考えずにいられる。
世界が真っ暗になったような絶望は、目の前の彼が払拭してくれた。
そう思ったから、素直に頷いた。
「うん、寂しくない」
そう答えたと同時に、鞄の中のスマホが音を立てた。
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茜音(プロフ) - えぬさん» ご指摘ありがとうございます！すぐに修正します！ (2017年11月12日 0時) (
レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - ひよりんさん» ありがとうございます！私には勿体無い言葉がたくさん、、！！文章がキレイだと言っていただけるのが1番うれしいのでひよりんさんのコメントを何度も読み返してしまいました。ぜひまたあそびにきてくださいね(^^) (2017年11月12日 0時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 最後の｢特別やもん｣のところの名前が反応していないです、、、！ (2017年11月11日 9時) (レス) id: 0e23a7d5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - 言葉、文章ひとつひとつが繊細でキレイで引き込まれますね。表現に幅があって読んでいて想像が膨らみます(^_^)更新、楽しみにしてます！ (2017年11月10日 4時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜音
| 作成日時：2017年11月5日 20時
