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まっすぐな眉を少しだけ下げて、指を組んで
その手で顔の下半分を覆った章大さんが
「ごめん。
そんなん気にする権利、おれにないよな」
いつになく籠った声でそんなことを言うから
途端に胸が苦しくなった。
ずるい、ひどい、ずるい
丸くてゴツゴツした指先と、薬指に光る華奢な指輪。
この人が、ほかの誰かのものだという証拠。
それなのにこの人は、私を自分のものみたいに扱おうとしている。
その身勝手さが嬉しいだなんて言ったら、あなたはどんな顔をするの？
私が忠義と仲がいいと教えたら、あなたはどんな顔をするの？
身体を重ねることもあると伝えたら、あなたはどんな顔をするの？
むくむくと沸き上がる邪で歪んだ気持ちは
言葉にすることもなく、静かに滾っていく。
だって私は、章大さんを困らせることができない。
この人に嫌われるのが、何よりも怖い。
だから私は、章大さんの手に自分の手を重ねて
「章大さん」
ありったけの想いを込めて、目の前の大好きな彼の名前を呼んだ。
私の声に顔を上げた章大さんの吊り上がった瞳が潤んでいて
縋っているようにも見えるその仕草にときめいて。
「ヤキモチ、ですか？」
茶化したつもりの言葉は、口にすると少しだけ震えたけれど
章大さんの顔を綻ばせるのには十分だった。
ふわり、と音が聞こえるように
章大さんの困ったような表情が笑顔になる。
丸っこい歯をむき出しにして、目の端に皺を寄せて
子供みたいな顔で笑って
「うん、ヤキモチ」
私の言葉を繰り返すから。
章大さんが、私に執着してくれているのが嬉しくて
もっとヤキモチを焼いて欲しくて
結局さっきの質問に答えることはなかった。
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茜音(プロフ) - えぬさん» ご指摘ありがとうございます！すぐに修正します！ (2017年11月12日 0時) (
レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
茜音(プロフ) - ひよりんさん» ありがとうございます！私には勿体無い言葉がたくさん、、！！文章がキレイだと言っていただけるのが1番うれしいのでひよりんさんのコメントを何度も読み返してしまいました。ぜひまたあそびにきてくださいね(^^) (2017年11月12日 0時) (レス) id: c4843d23a9 (このIDを非表示/違反報告)
えぬ(プロフ) - 最後の｢特別やもん｣のところの名前が反応していないです、、、！ (2017年11月11日 9時) (レス) id: 0e23a7d5b0 (このIDを非表示/違反報告)
ひよりん(プロフ) - 言葉、文章ひとつひとつが繊細でキレイで引き込まれますね。表現に幅があって読んでいて想像が膨らみます(^_^)更新、楽しみにしてます！ (2017年11月10日 4時) (レス) id: 6d3b1b35bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：茜音
| 作成日時：2017年11月5日 20時
