十七頁〜抑制剤1〜 ページ22
その日から数週間後、俺の元に数種類の薬が届けられた。
一つ目は、一般的な錠剤(じょうざい)タイプの抑制剤。
最も出回っているこれは、Ωのヒートを押さえ込む効果をもつ。
つまり、これさえ飲んでおけばヒートはないも同然。
しかし、人によっては効きにくいこともあるようで、これを飲んでいてもヒートが来ないとは限らない。
効き目は1錠(じょう)で約24時間。副作用などもなく、極端な話365日毎日接種しても問題ない。
まあ、薬は薬なのから、飲み過ぎは良くないのだろうけど。
二つ目は先ほどの一般的なもより強いタイプの抑制剤。
こちらも錠剤(じょうざい)タイプだ。
これはどんなΩのヒートも押さえ込むことが可能である。
その上、一つ目のものより速効性が高い。
しかしその反面副作用もあり、目眩(めまい)、頭痛、吐き気などが起きるとも注意書きにはあった。
三つめは注射器タイプ。
打った直後から薬が聞き始めるため、二つ目の錠剤(じょうざい)よりも速効性があることが分かる。
そのうえ二つ目の錠剤(じょうざい)同様、効果は抜群。
もちろん副作用もあり、目眩(めまい)、頭痛、吐き気などのほか、ひどい脱力感のようなものを感じるらしい。
この注射器タイプは、要は緊急事態に使用するためのものだ。
具体的な例をあげるならば、αの前でヒートが起きてしまった場合である。
……できれば一生使いたくない代物だ。
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時