九頁〜これは果たして恋なのか2〜 ページ14
「えっ、あ……。ほんと慌(あわ)ただしいやつ……」
説教が長いのも、基本穏(おだ)やかなイメージをもつ安藤先生が怖いと思うのも日頃の行いのせいでは? と思ったがまあいいか。
わざわざ言葉にするのも面倒だし。
正直、南条は苦手タイプでもあった。
嫌いというほどではないが、常(つね)に煩(うるさ)いし、気分屋で扱(あつか)いも何かとめんどくさそうだ。
それに、何故か分からないが入学初日からやたら絡(から)まれた。その行動に若干(じゃっかん)引いた記憶(きおく)もある。
彼にとって俺の何処(どこ)に、それほどまでの興味を抱く要素があったのか。今をもその理由は分かっていない。本当にナゾだ。
分かっている事と言えば、彼に対する苦手意識の原因は、ココに大きくあるということだけ。
「西川はよく南条に付き合ってられるな?」
「んー。慣(な)れれば楽しいよ?」
小学生からの付き合いだし。と、西川は涼(すず)しい顔で言ってのけたのだが。
「そんなこと思うの、絶対西川だけ」
南条へ視線を向ければ、自分のロッカーの中身をほとんど引っ張りだし、山のような私物の中をガサゴソとあさっていた。
まだ、五月下旬なんだけど。
入学して二ヶ月たってないのに、どうしたらそこまで荒(あ)れるんだよ。
俺は南条の面倒を見るなんて無理。
絶対にムリだ!
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作者名:フロース | 作成日時:2019年3月4日 19時