謝罪 ページ20
「良かった！熱はないみたいですね」
するとさっさとベットから下りる。
なんだ……これじゃあ私だけ変に
意識してるみたいだな、
なんて少しいじけてしまう。
それもそうだ。
相手はスパダリ国家公務員の降谷さんだぞ？
倦怠感、それに寝違えた首が痛い。
腕を天井に向けて伸ばすと
んんーと声と共にぴきぴきと
体がきしんだような音がした。
その音を聞いて何時間寝ていたのかと
疑問が浮かぶ。
「それでは僕はこれで。
仕事帰りによったものですから」
黒を基調としたジャケットをはおいながらそう伝えられる。
優しい笑顔につい惹き付けられる。
たとえこれが偽りだとしても
私は貴方のことをそのまま愛してる。
「そうなんですか、ありがとうございます。
ご迷惑かけちゃってすみませんでした」
多分１日くらい寝込んでいたんだろう。
時計を見ると昨日倒れた時間くらい
だった。
「沖山さんも呼んできますから。
まだ安静にしててくださいね」
「はい」
ここはひとまず休もうと思い、
深い青色のふかふかの布団に埋まる。
沈んでいく枕に顔を埋める。
するとキャミソールが汗で蒸れているのに気づく
「これは‥寝られないな‥」
ハァとため息をつく別にお風呂が
嫌いなわけじゃない。
ただ鏡に写る自分を見ると殴ってしまいそうだ。
今日の私は自己嫌悪で塗り固められている。
そういや、ここに来てこんな嫌な気持ちは
初めてだなぁ。
前の世界はしょっちゅうだったけど‥
仕事してるとき主婦だったら
きっと楽しいだろうなぁ。とか
安室さんの奥さんになりたいなぁ。とか
考えてたもんな。
そんな風に物思いにふけっていると
いまだに慣れない声が聞こえた。
「大丈夫ですか？」
目を細めて笑う彼は偽りの姿だけど
その優しい眼差しは本物なのだろう。
「はい、ごめんなさい。」
少し苦笑いをして頭をかきながら言うと
いいんですよ。と言って
私の近くに来てしゃがみ、
目線を合わせてくれる。
「お前はもう少し自分の体を気遣うべきだ。」
「あ、赤井さんになるんですね。」
ふざけて笑うとため息をつかれてしまった。
「大人になってから心配されることが
あまりないので少し照れくさいんです。」
ふと母と父の顔を思い出す。
私は本物の親不孝者だな、そんなことを
思わずにはいられない。
乾いた笑い声が私から出てしまう。
悲しい顔を見せすぎているよな。
この人も背負っているものはたくさんあるのに
ごめんなさい。
終わり
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メーイ(プロフ) - 麗夢さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！これからも頑張るので、よろしくお願いします^^* (2017年9月24日 8時) (
レス) id: 88b3d868cd (このIDを非表示/違反報告)
麗夢(プロフ) - 面白いです！応援してます(*´ω｀*) (2017年9月24日 0時) (レス) id: be012b64cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メーイ | 作成日時：2017年9月16日 8時
