仕事 ページ17
あまりに近すぎる。
目の前の彼はまるで狼のように
私を見据えている。
喉の奥に小石が詰まっているようだ、
それに、
フワッと香ってくる花のような
爽やかな香りがして
息をしてはいけない気がするのだ。
助けを求めようと梓さんをちらりと見る
「このコーヒー美味しいです。
コツとかあるんですか？」
「あ！そうなんですよ〜」
にこやかに談笑している。
くそ、あいにくポアロには平日のため
誰もいない。
つまり私は今この人と話さなければ
ならないのだ。
手に汗が嫌なほど滲む。
「Aさん、趣味はなんですか？」
「へ？」
あまりにも普通の質問にビックリする。
「う、えっと、散歩が好きです！」
「へぇ、何でですか？」
「知らない所に行くのが好きなんです。
とってもワクワクするので。」
「じゃあ好きな色は？」
「青か、透明です。」
「何でですか？」
「綺麗だから、じゃダメですかね。」
「じゃあ好きな数字は？」
「０です。」
「……なんで、好きなんですか？」
「０がないと何も始まらないって
私の憧れの人が言ってたんですよ。
私もそう思うから０が好きです。」
まぁ、私のは少し違う意味なんだけど
気づいてないでしょ！と思っていると
「随分と直球勝負ですね？
一昨日から。」
わざと昨日からを強調してくるのが
むかつくところだが、どうも体は正直で
顔がゆでダコになるのがわかる。
と言うか、さっきの緊張をほぐす所は
紳士的だったのに急に悪魔のように
変わっていて
目の前の彼はとっても余裕そうに
ほくそ笑んでいる。
マンガのように心情描写がないから
分からなくて怖いけど、
頑張るしか、ないよね。
「あの、その、昨日は、
勝手に、でてってすみませんでした。」
精一杯の言葉を振り絞る。
ギュッと目をつぶり返事を待つ、
すると頭をポンポンとされる。
「怒ってませんよ、少しからかっただけ
ですから、怯えないで下さいよ。」
すこし困り気味な顔で言われる。
あぁ、今は素なんだな、と
思ってほっとする。
「……はいっ！ありがとうございます。」
真っ直ぐ眼を見てお礼をすると
やっぱり少し恥ずかしくて
下を向いてしまう。
これからはそのくせもちゃんと
直していかないとなぁ。
ってそういや仕事どうしよう！？
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メーイ(プロフ) - 麗夢さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！これからも頑張るので、よろしくお願いします^^* (2017年9月24日 8時) (
レス) id: 88b3d868cd (このIDを非表示/違反報告)
麗夢(プロフ) - 面白いです！応援してます(*´ω｀*) (2017年9月24日 0時) (レス) id: be012b64cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：メーイ | 作成日時：2017年9月16日 8時
