優しさ ページ12
寒さに耐えてスマホを取り出す。
かじかんだ手でイヤホンを指して
耳にはめ込む。
私の恋。
というプレイリストを開く。
初めは、
君との恋に恋してるだけで。
次は、
君の涙にこんなに恋してる。
その次は、
渡月橋君〜思ふ〜
最後は、
アゲハ蝶。
「あなたに会えた、それだけで良かった。
世界に光が満ちた。
夢で会えるだけで良かったのに
愛されたいと願ってしまった。」
「歌、上手いんだな。」
うわっとつい声を上げてしまう。
振り向くと私が座っていたベンチの後ろに
コナンくんがいた。
こちらに歩いてきてポスッと
何かを手に置かれる。
「ココア……ありがとう。」
ちょっとした優しさが胸にしみる。
ココアよりも心がポカポカする……。
なんて言うとプイっとそっぽ向いて
そうかよ。なんてほほを染めて言うので
こちらも少し照れて笑ってしまう。
「それより、オメーまた凍死する気かよ。」
急にほっぺに手を当られる。
私よりもはるかに驚いたコナンくんの顔が
可愛くてクスクス笑ってしまう。
「オメー笑ってる場合かよ。」
呆れ顔で言うものだから、
可愛いくて可愛くて仕方なくて
余計に笑ってしまう。
「ごめんごめん、それより手冷えちゃう。」
すると呆れられ、いいんだよ。と、
手を握られる。
これは、蘭ちゃんも惚れる理由が
分かるなー。なんて思っていると
行くぞ、と手を引っ張られる。
一瞬素直についていこうとしたが
安室さんの顔がよぎり
ためらって立ち止まってしまう。
見返りなんていらないんです。なんて
都合のいいこと言ったくせに。
こんな私なんて大嫌いだ。
「A……あんま思い詰めんなよ。
あと今夜、蘭の所に泊まりに来いよ。
仲良くなりてーんだろ？
それに、もう蘭に言っちまったしな。」
彼なりに配慮してくれたらしく、
今夜はもう工藤宅には帰らなくてもいいことに
なった。
下着や服は蘭ちゃんがすぐ洗えば使えるし、
おっちゃんも今夜は徹夜で麻雀をするらしく、
泊まってもいいらしい。
正直ありがたい。
ということで、今は蘭ちゃんの家に
向かっている。
途中間では他愛もない話をしていたが、
だんだん流れがかわり
私は説教を受けることになってしまった。
「オメーは自分のことに鈍いんだから
そんな体を気を使わないことが
できるんだよ。俺も沖矢さんも、
心配なんだぜ？」
「ご、ごめんなさい……。
返す言葉もないです。」
それから説教は到着するまで続いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 47人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「安室透」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メーイ(プロフ) - 麗夢さん» ありがとうございます！とても嬉しいです！これからも頑張るので、よろしくお願いします^^* (2017年9月24日 8時) (
レス) id: 88b3d868cd (このIDを非表示/違反報告)
麗夢(プロフ) - 面白いです！応援してます(*´ω｀*) (2017年9月24日 0時) (レス) id: be012b64cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：メーイ | 作成日時：2017年9月16日 8時
