君の体温 ページ8
センラside
a.m.5:00
隣が温かいからだろうか、ふわふわとした感覚に襲われていた。
とても心地がよかった。
でもその感覚はアラームによって断ち切られた。
ピピピピピピ
(もーうるさいな。まだええやん、志麻くん堪能しても)
そして志麻くんの腰をそっと抱く。
志麻くんからはとてもいい匂いがした。
(これも惚れた弱みなんかなあ)
緩みきった口元を引き締めることは容易くないだろう。
そんな幸せな時間はまたまた着信音によって断ち切られた。
(ああもう!!タイミング!!)
「はい、もしもし。」
「ああ、センラくん、すまんなこんな早くから」
「全然大丈夫ですよ〜」
(全然大丈夫じゃないけどな!)
「実は今日お前の後輩のプレゼンを手伝ってあげてるやつが休みでな、すまんがセンラくん、出てくれるか?」
「はい、大丈夫です。」
「では頼んだぞ、センラくん」
プツッ ツー,ツー
無機質な音が耳元で鳴った。
7時には家を出なければいけない。
正直言って今あの後輩と会いたくない。
嫌な予感がするのだ。
今日、何かが起こりそうな、そんな____
ふるふると頭を振ってそんな考えはどこかへ飛ばした。
とりあえず志麻くんに朝ごはんと置き手紙はして行かないと、不安になる。
結構寂しがり屋なんよ。
そんなところも可愛くて可愛くて仕方ない。
今だって、ほら。
「んむぅ...しぇ...ら...だい...し...きぃ...」
可愛いでしょ、あげやんからな()
可愛い志麻くんにそっとキスして写真をパシャ。
また写真のフォルダが潤った。
口元が緩む。
それを隠すために急いでキッチンに向かい朝ごはんを二人分、ちゃちゃっと作る。
15分もあればこのくらいはできるのだ。
それにラップをかけて机の上に並べておく。
お茶碗は出しておく。
そして自分の分を並べてご飯をよそった。
「いただきます。」
やっぱりふたりで食べる方がおいしいと思いながらもお腹におさめていく。
機械的にただ食べ物を口に運ぶ作業を繰り返す。
食べ終わって片付けたら着替える。
するともうそろそろ7時だ。
名残惜しい気持ちを押し殺して行ってきます、と言い志麻くんにキスをした。
外では鳥たちが寂しさを紛らわすように鳴いていた。
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夢月 - とっても面白かったです!とっても好きなストーリーでした!番外編も…!もう…まーしぃかわいいし、センラさんかっこいいし!てか、文才ありすぎじゃないですか!?分けてほしいくらいです!次の番外編楽しみにしてます! (2018年10月27日 21時) (レス) id: 3341f5a27c (このIDを非表示/違反報告)
みく@企画垢(プロフ) - オリジナルフラグを外してくださいね (2017年8月23日 9時) (レス) id: e89ce37d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2017年8月22日 22時