54-YOU ページ4
GD「ねぇA、緊張してんの？」
A「そりゃ、しますよ」
GD「ってかさ、それやめない？」
A「それ？」
GD「敬語。」
A「えっ、いやいやそんな。無理…」
GD「無理じゃない。今日は俺の彼女でしょ？分かった？」
撮影当日を迎え、沢山のスタッフや沢山の機材に目をまん丸くして、ど緊張した私。
じゅんちゃんには、緊張し過ぎて顔が変だって言われた。
そして私の返事なんてまるで聞く気がないかのように、自分の言いたい事だけ言ってスタッフさんのところに行ってしまったジヨンさん。
今日1日大丈夫だろうか…
GD「こっちの方がいい？もっとこっち？」
スタッフ「もっとこっちに向いて…そうそう！そこそこ！」
あろう事か、撮影初っ端から、ジヨンさんを膝枕するシーンだった。
分かってたけど…緊張が取れず、平常心を保つのに必死な私。
GD「ねぇ、下からみるAって、ちょっとブサイクになるよね」
A「…はぁ⁉っっっ/////!!!!!!!!」
GD「アハハ、うそだよ。ほら始まるから笑ってよ〜」
A「もうっっ！！」
そこから始まった撮影は、なんだかもう、こっちが調子狂ってしまうほどだった。
上目遣いで顔を覗いてきたり
ぎゅってしたり
笑いあったり。
お互いの空気感とか、感覚は時間が経つにつれて重なり合って
私の緊張も、いつの間にかどこかへ消えていた。
GD「思いっきりやってね^ ^俺も本気出すから〜」
A「いいよ^ ^ジヨンに日頃の鬱憤投げつけるから〜」
GD「それなら俺も負けないよ」
古いゲームセンターとコンビニのセットの中で、
お菓子を投げ合ったり、
ボールを取り合ったり、
ジヨンの乗ったカートを押したり、
いつの間にか、本気で笑って楽しんでいる自分がいた。
次々と進む撮影の中で
ジヨンと体を密着させたり見つめ合ったり。
彼でもない人とこんなに近づくのって、嫌なのかなって思っていたけど、
不思議と嫌ではなく、安心感を感じられた。
水に濡れて、キスをする。
そんなシーンを撮影するところ。
GD「A、本当はこの撮影辛かったでしょ？」
A「ううん……すごく楽しかったよ」
GD「今日じゃなくて、今まで」
全身が濡れているせいか視界がぼやける。
そう思った私の頬を拭うジヨン。
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作者名：shino | 作成日時：2017年10月20日 17時
