74- GD ページ24
Aが寝て、1人になった部屋。
いつも通り。
GD「食ってすぐ寝たなー…酒の相手位しろよ」
独り言も慣れた。
お酒を飲みながら、部屋に飾ったアート作品を眺める。
愛猫と戯れながら、お酒を飲む。
沢山になった本を読みながらお酒を飲む。
映画を観ながらお酒を飲む。
外で騒いで、友達と飲み明かすのもいいけど
1人、こうやって飲む時間はいろんな意味で刺激的だったりする。
次の創作へのインスピレーションが湧いたり。
寂しさが込み上げて、どうしようもなくなったり。
今日は後者。
GD「本当に寝ちゃったのかな？」
寂しさに、Aが起きてたら相手してもらおう。
なんて思い、ゲストルームを開けようとドアノブに手を掛けた。
部屋の中から聞こえたAの泣き声。
A「ドンヘ君…会いたいよ゛ー…うぅ…」
ドアノブからパッと手を離し、
静かにリビングに戻った。
俺も、Aも、今日は寂しさで心が泣いている。
止まっていたと思った涙は、感染したかのように、俺の頬も伝って流れた。
GD「ソヨン…戻ってきてよ……他の奴となんか……幸せになんなよ……」
何度も何度もソヨンに電話しそうな気持ちを抑えた。
明るく笑いかけてくれるかも…
なんて、意味のない期待をして、ソヨンへの発信ボタンを押す寸前で我に帰る。
何度も何度も繰り返す行為。
そして、いつも期待は裏切られる。
分かってるのに…
分かってるけど…
ソヨンから抜け出せない俺…
気付けば外は少しずつ明るくなり始めていた。
太陽の光が、この寂しさを少しだけ無くしてくれる。
だから、太陽が昇ると俺は眠る。
さっとシャワーを浴びて、
ドロドロとした自分の気持ちを少しでも洗い流す。
リビングに戻ったら、空いたワインの瓶が目に入った。
GD「…こんなに飲んだっけ…？」
記憶は曖昧だった。
寂しさが込み上げてくるときは、大体気づかないうちにいつもよりも飲んでしまっている。
空いた瓶をゴミ箱に捨て、グラスをシンクに置いた。
窓の外は、太陽が昇り気持ちいい位のいい天気だった。
GD「あいつ…俺寝ちゃっても大丈夫かな…」
ガチャ
そのタイミングでAが起きてきた。
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作者名：shino | 作成日時：2017年10月20日 17時
