70-DH ページ20
もう夕方なのか、窓の外はすっかり日が落ちて暗くなり始めいた。
EH「ドンヘ〜電話でてよ〜」
Aちゃんが帰った時はまだ明るかったから、もう何時間か経ったんだ…
EH「コーヒー貰うなー。あっ、晩飯でもどっか行かない？暇でしょ？」
いつもと変わらないヒョク。
でも、僕の世界は確実に変わっていて
またあの笑顔でAちゃんが現れるんじゃないか…
とか、
今までの事は全部ウソで、何にもなかったんじゃないか…
とか、
そんな事がふと頭をよぎる。
色の無い世界に自分から飛び込んだような…
不思議な感覚だった。
EH「聞いてんのー？？ドンヘ〜。ってか、Aちゃんなんで帰らせたんだよ？一緒に飯でもって思ったのに。……あっ、でも外は無理かぁ〜」
DH「…えっ？？何でAちゃん…」
EH「さっきまで一緒だったんじゃないの？途中のカフェで会ったから」
DH「っえ⁈」
咄嗟に立ち上がり、玄関に向かおうとしている自分。
でも、すぐに我に返った。
違う。こんな事しちゃだめなんだ。自分で決めたんだから。
戻って来てほしい気持ちと
またあの疑心暗鬼の日々に戻ったらって気持ちが交差する。
EH「…なに？どーしたんだよ？」
DH「…Aちゃん、1人だった？」
EH「？うん、1人だったけど…？」
そんな言葉に、少し安心してる自分がいた。
やっぱり、未だに拭いきれない疑いの心。
DH「ヒョクの言ってたBIGBANGのMV…あれで線が繋がってさ…あぁ、そういう事だったんだって…」
EH「…何が？」
DH「僕さ………Aちゃんと別れたんだ……」
EH「……ぇえ⁉⁉何で⁉あのMV関係あるの⁉」
DH「いっぱい悩んで、考えたんだけど…決めたんだ」
EH「Aちゃん、一言もそんな事言ってなかった…」
ヒョクに言ったら、また涙が出てきて、
止められない感情は涙となってとめどなく流れた。
こんなに泣くなら、別れなきゃ良かった……
って思える程まだ気持ちはAちゃんに向いてて
でも、1人のAちゃんを想像したらホッとしてる自分もいて…
不確かな気持ちの中、
あのMVを見て、
熱愛スクープの最中、会えなくなるなら…
余計に疑ってしまうなら…
別れようって決めたのは…
僕なんだ。
好きだから、疑いたく無かったんだ…
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作者名：shino | 作成日時：2017年10月20日 17時
