67-YOU ページ17
どれくらい時間が経ったのだろう…
随分前に空になったコーヒー。
眩しかった太陽は傾き、外は薄暗くなっていた。
A「私のバカ……世界一のバカ…」
後悔したって遅い。
でも、後悔せずにはいられないし、
そうしていないと、心が潰れてしまいそうで怖かった。
コンコンコン
座っているカウンターのガラスの向こう側からノックする音が聞こえ、
顔を上げた。
A「…！！！オッパ…」
そこには、ニコッと笑うウニョギオッパがいた。
店内に入ってくるなり、隣に座った。
EH「びっくりしたよー！まさかこんなところにAちゃんがいる…なんて………まさか、ドンへに会いに⁉」
A「あぁ…そうです…」
EH「大丈夫だった？」
A「あぁ、はい。」
EH「で、もう帰るの？ドンへに連絡してんのに、繋がらなくてさ〜。Aちゃんといたからか」
A「今は多分……家にいると思います。」
EH「Aちゃんは？この後夜ご飯とかは？」
A「いえ…私は大丈夫なんで。ドンへ君のところに行ってあげて下さい」
EH「…え？でもAちゃんは…？」
A「私は本当に大丈夫なんで…本当に…」
ウニョギオッパの背中を押し、強引に席を立たせた。
EH「えっ⁉ちょっ、ちょっとAちゃん⁉」
A「またこんなところ、誰かに見られたら大変です。早く、行ってあげて下さい」
精一杯の笑顔で、ウニョギオッパとさよならした。
�爛疋鵑悗�んと別れました��
なんて、言えなかった。
言ったら余計に現実みを増して、私の心は耐えられるのか分からないから…
今頃ドンへ君は何をしてるんだろう…
しばらく止まっていた涙は、再び流れ出した。
考えれば考えた分、涙は流れるし
胸はぎゅっと痛んだ。
コンコンコン
A「…えっ」
再びノックされたガラス。
こんな事、1日に2回もあるだろうか。
しかも日本ではなく、韓国で。
涙でボロボロの顔を上げれば、
悲しげに笑うジヨンが立っていた。
A「…ジ…ヨン」
指をさして、店内に入っていいか伺っているジヨン。
今、この韓国で1番気の知れた人が現れて、
私の涙腺は崩壊した。
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作者名：shino | 作成日時：2017年10月20日 17時
