お父さん side you ページ7
お父さんが私の事を気にかけてくれてた。見捨てられたと思えるような過去だったから。
DH「俺が見る限りじゃ、お父さん悪い人になんて見えなかったよ？」
A「うん…。まだ1人にされた事、納得出来ないけど…でも、お父さんも元気そうで良かった…」
お父さんが、ここの料理長だったなんて、予想にもしてなかった。
元々お父さんは、ホテルで和食を担当する料理人だった。
ママとの出会いは、日本でお父さんが日本食を勉強している時だったらしい。
両親揃って料理をする職業だったから、自然と私も料理をするようになった。
ホテルで務めるようになったお父さんは、忙しくてなかなか家には帰れなかった。
でも、お父さんとママ。2人は愛し合っていたし、家庭も円満。もちろん私もお父さんと仲が良かった。
そこから、ママの病気、そしてママの死。
お父さんも精神的にいっぱいいっぱいだったんだろう。
ママが、いなくなってからの私とお父さんは、まるで他人みたいだった。
家にいても話すこともなければ、顔を合わすこともなかった。
あの当時はお互いにママの死を受け入れられなくて、私が独り立ちするのと同時に、お父さんは家を出た。
それが今ではあんなに晴れやかな顔で、話題のお店の料理長。
お父さんはお父さんで、この5年間、必死に頑張ったんだろうなって思った。
でも、私を1人にした事は余りにも酷いと思ったし、あの時の寂しさも、2度と味わいたく無い程のものだった。
A「ねぇ、ドンへ。私また悪い癖出た」
DH「悪い癖？」
A「お父さんと会えた事、本当は嬉しいの。お父さんがいなくても、生活も精神的にも安定してる今を崩されたくなくて、わざと冷たくして、近づいて欲しく無い。みたいにしちゃった。」
DH「それは当然じゃない？お父さんがAを1人にした事は、どう考えても褒められる事じゃないもん。俺も未だに理解しがたいからね。そんな事を乗り越えようと必死に頑張ってきたところにまた、事を蒸し返すなんて、普通キツイよ。」
A「…珍しくいいフォロー」
DH「今、真面目な話だから！苦笑」
A「でも、お父さんの顔、スッキリしてたな〜お父さんも受け入れられたのかな？」
DH「だとしたら、次はAとの関係を戻そうとするんじゃない？」
A「やっぱりそう思う？」
DH「思う〜。しかも俺、お父さんに、ヒマワリに来てくださいって言っちゃった〜！」
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作者名：shino | 作成日時：2017年2月14日 11時
