HIMAWARI-2 (ページ6)

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お父さん side DH ページ6

料理長「本日はご来店いただきましてありがとうございます。料理はお口に合いましたか？」

DH「はい、すごく美味しかったです。また来ますね」

料理長「嬉しいお言葉ありがとうございます。では、失礼します。」

Aは俺がプライベートでしかも自分と2人で来ているってこともあってか、失礼がない程度だけど、料理長と目線を合わせないようにしていた。

そして、失礼しますと料理長が出ていく時に目線を合わせて会釈しようとした。

その時。

料理長「…A？」

A「！！！！……お父さん」

お父さんと呼ばれた料理長。
おれは何が何だか分からなくて、全然ついていけない。

父「…元気にしてたか？」

A「…見ての通りだよ。」

お父さんとAの態度は真逆だった。

Aはすごく冷たい態度だった。

父「元気そうで良かったよ…母さんが亡くなってから、お前には苦労ばかりかけて申し訳ない。本当にすまない。」

A「…挨拶が済んだならもういいでしょ？仕事に戻ったら？私は帰るから。」

父「あ、あぁ……また食べに来てくれるか？」

A「……ドンへ、行こう？」

そう言って、1人部屋を出ていくA。その表情は、怒ってるようにも、泣きそうにも見えた。

Aを一人ぼっちにさせた人物が、2人ここに揃ってるんだ。
耐えられなかったよな？

でも、お父さんと呼ばれたこの男性が、俺には悪い人になんて見えなくて。しかも料理から暖かさを感じたのは間違いじゃなかった。

Aが作る料理と同じように、暖かさが伝わる料理だった。
そんな料理を作れるこの人を、こんなに申し訳なさそうな顔して俯いているこの人を、悪い人だなんて、やっぱり思えなかった。

たった1人の家族だ。まだ元に戻れる可能性があるなら、その可能性を捨てちゃいけないと思った。

DH「Aは今もヒマワリを頑張って守ってますよ。いつか、食べに行ってやってください！」

そうお父さんに伝え、Aを追いかけた。

外に出ると、Aは漢江沿いのベンチに1人座っていた。

近づいて、小さな背中を見つめた。
抱きしめたあげたいと思った。でも、それができない今の状況がもどかしかった。

DH「料理、美味しかったね。料理上手は両親から教えてもらったから？」

A「…ドンへ。お父さん、私を気にかけてくれてた」

そう言って泣き崩れた。