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繰り返す痛み side you ページ32

ドンヘが出て行ったお店の中は静まり返って、私1人ポツンと取り残された。


私のすすり泣く声がしっかりと自分の耳に入ってくる。



A「バカ…バカバカ…バカっ!!!!」



怒り?


違う。




悲しみ?



ううん。




痛み。




今はそれが1番しっくりくる。



とにかく、心が痛くて胸がぎゅうっと締め付けられるたびに涙が溢れた。



貰ったスターチスの花束を入り口に向かって投げた。




でも気分なんて晴れないし、バサバサっと床に散らばった花が、虚しく私が1人ぼっちだという事を思い知らしめているようだった。



私の中では、大きな1歩だったんだよ?


ドンヘにとったら別に今日じゃなきゃダメって程大事じゃなかった?



なんでまた女の人なの?



なんで私よりもその人のところに行ったの?



それがドンヘの答えなの?




いい感じだから〜ってソユに言ったのが、バカみたい…





A「ハハっ…ハハっ…うっっ…うぅ…」


乾いた笑いと、鳴き声が店内に響いた。




その時、扉の開く音と同時に誰かが入ってくるのが分かった。


ドンヘ⁉って思って顔を上げた。



そこに居たのは





A「イル君…」



IL「ヌ…ナ…?」



A「……うぅ…うぅ」




イル君を見た瞬間、何故か泣き崩れてしまった。


床にへたり込んだ私は、イル君にふわっと抱きしめられていた。


IL「ヌナ?どうしたの?ドンヘヒョンは?」



A「……分からない。女の人から電話がきて………行っちゃったの…」



こんなに泣き崩れている私の言葉が理解できたのだろうか…
更に抱きしめる力が強くなった。



IL「大丈夫、大丈夫だよ。ヌナ、今は俺が目の前にいるから。1人じゃない」




“1人じゃない”





そう。ドンヘに1番言って欲しかった言葉を、イル君はいとも簡単に私に言った。






その言葉がドンヘからではない事と、
でも欲しかった言葉を言ってくれた嬉しさでまた涙が溢れた。




もう、頭と気持ちがぐちゃぐちゃだ。



泣き止みたくても涙は溢れてくる。




A「…ごめんっ、イル君にこんな姿見せちゃって…」



IL「いいよ、落ち着くまでこうしてて?」




そう言って子供をあやす様に、私の背中をポンポンと優しく叩いてくれた。









どの位だっただろうか…


しばらくこの状態でいたから、大分落ち着いた。




A「イル君、ありがとう。大分落ち着いた」


IL「ううん、落ち着いたなら良かった」

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作者名:shino | 作成日時:2017年2月14日 11時

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