HIMAWARI (ページ26)

今日:11 hit、昨日:5 hit、合計:53,976 hit

思い出の地～過去～ side DH ページ26

Aからお母さんの話を聞いた。

こんなにはっきり詳しく聞いたのは初めてで、当時のAを思ったら、胸が締め付けられた。

お父さんも出て行ってしまった時は、親友のソユちゃんしか居なかっただろう。

だから、これからは俺がAの側で、支えになろう、少しでもお母さんとの良かった思い出で、一杯にしてあげたいって思った。

Aとお母さんの思い出の場所。
ヒマワリ畑。そこに行くことにした。今は冬だからきっと花は咲いてない。でも、Aがそこに行けば、きっとお母さんとの楽しかった思い出が蘇ると思った。

ソウルから離れた田舎町に、そのヒマワリ畑はあった。さすがに、電車やバスだと誰かに見られるかもと思い、俺の車で行く事にした。

少しずつ、Aが生まれ育った田舎町か近づくにつれ、Aの表情は強張っていった。

安心するように、手を握って、SJの音楽を流し、ワザと得意げに歌った。

A「オッパ、コンサートじゃないんだからっ、私って贅沢～」

と少し柔らかくなった表情に安心する。

少しして、道の開けた道路脇に車を止めた。ヒマワリ畑は少し歩けば着くみたい。

冬だからか人も居なくて、閑散としていた。

DH「さぁ、着いたね。」

A「うん、オッパ？少しこの辺り歩いても…いい？」

DH「いいよ、Aの好きなところに好きなように行きなよ」

A「ありがとう」

田舎道をAはのんびりと歩いていた。

A「ここの段差あるじゃん？私がね小さい頃いつもここで躓いて転んでたんだって。だからママはいつも私に口うるさく、気を付けなさいって、言ってきてたんだよね」

DH「こんな小さな段差で⁉wドジだなぁ～」

A「ドジって言わないでよ～」

DH「お母さんはきっと、Aがかわいくてたまらなかっただろうね」

A「そうなのかな？あっ！あそこはね、ママがいつも行ってたお店なの。私もよく連れて行ってもらったなぁ～」

お母さんとの思い出が溢れるように、楽しそうに、時に寂しそうに表情を変えながら話すAは、子供の顔をしていた。

少しすると、ヒマワリ畑らしき畑が見えてきた。花は枯れてしまっている。

でも夏になったらすごく綺麗な花畑なんだろうと、簡単に想像できるくらい、広い畑だった。

Aはそっと足を踏み入れて、枯れたヒマワリを避けながら、畑の真ん中に歩いていった。