出張 side YOU ページ9
翌日、体調も回復しつつあり仕事に行く事にした。
先輩のまきさんは「もっとゆっくり休めば良かったのに」なんて言ってくれていた。そう言ってくれるまきさんが私は大好きだ。
でも仕事を何日も休む事はしたくなかった。自己管理できなかった自分が悪いけど、穴を開けることでの信頼を落とす事や、どんどん腕を上げる後輩の姿を見て仕事がなくなるんじゃないかという不安が常にあった。
そして今日からまた、仕事で走り回る日々が始まった。
まき「A〜！今、手空いてる？マネージャーに呼ばれてるのよ！2人でね！」
A「えっ⁉マネージャーにですか？」
なんかしたっけ？私…うーん…いつも通りやってたつもりなんだけどな…
まき「そそ！だから早くマネージャーのとこに行きたいんだけど、大丈夫？」
A「はい、大丈夫です！」
上司に呼ばれるのはいつでもドキドキする…
まきさんと2人でマネージャーの元へと急いだ。
コンコン
マネ「いいわよ、入ってー」
まき「失礼します」
A「失礼します」
まき「お話しとはなんでしょうか？」
まきさんが話を始め、私は隣で聞いていた。
マネ「あのね、単刀直入に言うとね、韓国に出張に行って欲しいのよ」
まき「出張、ですか？」
私は黙って聞いていた。
マネ「出張っていっても今回は2週間の短期でね、その時の仕事ぶりによっては長く向こうで仕事してもらう事になる可能性もあるんだけど、どう？やってみない？」
まき「はい！ぜひやらせて下さい！」
A「はい！私も全力でがんばります！」
文化も、流行りも違う。全く知らない土地での仕事に不安はあるが、それよりもやってみたいという気持ちが強かった。
マネ「あと、大事な事！言葉、喋れる？」
まき「えっと、少しだけなら喋れるかと…」
A「日常会話程度なら…」
マネ「うん！オッケ！少しでもできれば大丈夫ね！」
いやいや、そこって結構大事なとこですよ〜
と、マネージャーに突っ込む。
まきさんと2人でエレベーターに乗り、元の部屋に戻った。
まき「A！がんばろうね！これってすごいチャンスだし、私たち認められてるって事だよね！」
まきさんはキラキラと輝く笑顔でそう言った。かっこよくて、大人な女性。そんなまきさんの言葉に私も、満面の笑顔で答えた。
A「そうですね！全力でがんばりましょ！まきさん、よろしくお願いします！」
2人で笑い合い、その日の仕事を終え、帰宅した。
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作者名：shino | 作成日時：2016年11月22日 17時
