後悔 side D ページ5
彼女が走り去ってしまった。
追い掛けなかったことに後悔するしかなかった。
韓国でもなければ、たまたま来たバーの店員ってだけで、もう二度と会うことが出来ない。
なんでもっと早く気付かなかったのか…自分が嫌になる。
連絡先を聞けば良かった。教えてくれる保証なんてないけど、何もしていない今の僕からしたら、それだけでもしとけばと、後悔するしかなかった。
バーに戻ると、ヒョクがびっくりした顔をしていた。
E「ドンヘ！！！！なんでそんなにびしょ濡れなの⁉」
D「え？……あぁ、うん。」
僕は脱力感から、ヒョクに抱きつき、ヒョクの肩に顔を埋めた。
E「何があったんだよ、キュヒョナからの電話じゃなかったの？」
D「そう、電話、キュヒョナからだったよ」
E「で？」
D「で？」
E「で！だから！なんでそんなにびしょ濡れになって戻って来たの⁇」
会話が成り立っていない事に、ヒョクの言葉が荒くなっていた。
E「会話が成り立たないのはいつもだからいいけど！なんでびしょ濡れなのかはちゃんと説明してよ」
D「え？あぁ…」
ことの経緯をヒョクに説明する。
E「それなら、店長さんにでも聞いてみれば？」
D「！！！！そっか！ヒョク〜」
ヒョクの最もな意見に、ヒョクに抱きつき←
やっぱりヒョクは最高だなと改めて思った。
店長「あ〜、Aは今ここで働いてないんだよ、」
D「え？」
その言葉に思考がストップする。
店長「今日は助っ人として臨時で来てもらっただけで…」
D「そうだったんですか…ありがとうございます」
明らかに肩を落とし戻ってくる僕を見て、ヒョクは慰めるように肩を寄せてきた。
E「で？」
D「で？」
E「だから、どうだったの？」
D「今はここで働いてないって…」
E「そっか…」
D「うん…でも彼女はAっていうのは分かった」
期待していた答えではなかった事に、また後悔が襲ってきた。
でもどうする事も出来ない現実にただ、ため息しか出なかった。
その後のパーティーは、僕がびしょ濡れになっていたし、ヒョクが気を利かせて帰ろうと言い、僕たちはホテルへと戻った。
ホテルに着き、ヒョクと別れる。
部屋に入ってベットに倒れるように横になった。
目を閉じても眠れない。思い出すのは彼女の笑顔と、綺麗だった悲しい表情で。
D「Aか……眠れない…」
D「……ヒョクの部屋に行こう」
眠れなかった僕は、ヒョクの部屋に行きヒョクの横で眠りについた。
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作者名：shino | 作成日時：2016年11月22日 17時
