10 ページ12
･
「できたで〜…綾、起きれるか？」
『うん…』
起きあがろうとすれば、
ウチの背中を支えた力也。
……そんなのどこで覚えたん？
「『いただきます』」
((ﾊﾟｸﾊﾟｸ…
「どうや？」
『おいしい』
「ホンマか！
俺初めてオムライス作ったけどすげぇな！
才能あるわ！」
え……。オムライス作ってたん？
あんなガチャガチャ、うおっ…とか
いわせてたのに。
「『ごちそうさまでした』」
「綾、俺が洗うから横になっとけ」
綾 ((ｺｸﾝ
((ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ…
今度は大丈夫かな？
((ｶﾞﾀﾝｯ!
……じゃなかったわ。
ホンマに大丈夫なん？
「綾、起きれるか？」
『ん……』
「話したいことがある…」
皿を洗い終えて
こっちに来た力也は真剣な眼差しで
そう言ってきた。
『……なに？』
「綾、これから子どもが産まれてくるまで
不安なこと、辛いことがあるかもしれん。
もしかしたら産まれてきてからも……。
そんなとき、頼むから俺を頼ってほしいねん。
俺が無理やったら友達でもまわりの奴でも構わん。
とにかく、ひとりで抱え込むのはやめろ」
ウチの目を真っ直ぐ見て
そう告げた力也。
『うん……わかった。力也に頼る』
「それでええ…」
力也は少しずつだけど、
“パパ”の顔になってる……。
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：RX-00 | 作成日時：2021年6月5日 2時
