気絶 ページ26
『そういえば‥私がその、鬼殺隊だったのなら冨岡さんも鬼殺隊なんですか?』
Aの質問に義勇は「ああ」とだけ言った。
義勇はAの話を聞いているうちに、心の整理がついていき、今では大分落ち着いていたが、Aはまだ理解しきれていないようであった。
『(私は死んで‥‥でも、今生き返ってて‥‥ど、どういうこと?!!)』
そんな頭を抱えてうなっているAを見て、義勇はどうにか落ち着けようと考えた。
「(今は困惑もしていて大変だろう。だが、そんなに煮つめても仕方ない。今はとりあえず)
茶でも飲め」
義勇は温かい緑茶をAに渡すと、『ありがとうございます‥‥』と上品にお茶を飲んだ。
緑茶が温かく全身に広がってポカポカしている。
そこでAは少し落ち着きを取り戻し、あることに気がついた。
『‥‥‥‥‥‥‥ん?
と、と、と、と、と、と、冨岡さん』
「‥‥‥何だ」
『い、いま、何時ですか‥‥‥?』
「‥‥‥‥もうすぐ日付が変わるな」
そう、気がつけば時刻は既に十一時五十五分となっていて、もう外は誰もいないだろう。
Aの顔から血の気がひく。
Aのは甘味処の店主が貸してくれた家に住んでいる。
冨岡の家からAの家までは少しばかり距離がある。
今から帰るとなると、家に着く頃には夜中だろう。しかし、それは問題ではない。問題は‥‥
『(ムリムリムリ‥‥!!こんな暗い中帰ったら絶対ゆ、幽霊が出る‥‥!!!!)』
普段はたとえ夜中だろうが、根性でなんとか帰れるだろう。
だがAは今日、甘味処の店員から世にも怖い怪談話を聞いたばかりであった。
「‥‥‥???」
『あ、ああ‥‥‥』
Aは恐怖のあまり気絶した。
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ひいらぎ・いろ(プロフ) - 英里さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいです! (2020年5月16日 21時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
英里(プロフ) - こんばんは!初めて読みましたが、とても面白かったです!前投稿されてるものも読んでみようと思います! (2020年5月16日 21時) (レス) id: e68df76455 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ(プロフ) - 澪さん» ありがとうございます!嬉しいです! (2020年5月6日 8時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
澪(プロフ) - 完結おめでとうございます!ハッピーエンド最高です! (2020年5月5日 21時) (レス) id: 4fa03405f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひいらぎ・いろ(プロフ) - しろなさん» 見ていただきありがとうございます!テスト終わったらまた更新させて頂きます!(テ、テスト‥‥(泣)) (2020年2月9日 11時) (レス) id: 79b860e9e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひいらぎ・いろ | 作成日時:2019年11月4日 9時