拝啓皆様、私、もうすぐ死ぬ事になりましたがそれまで宜しくお願いします。[鬼滅の刃]

どうすればいい？ ページ18

冨「‥‥‥Aっ！！」




呼びかけても、Aの血は流れ続け、Aの目は開かない。



まだAの体温があるのが唯一の救いだ。



けど、このままじゃ‥




どうすればいい？



「A！！」




どうすればいいんだ




「A！！！」




頼む、頼むから返事をしてくれ。




「A！！！」




‥なのに、呼びかけても返事はしない。



目からでた水が頬をつたった。



「お前も‥‥俺を置いていくのか‥っ」



もう嫌だ。



もう失うのは、イヤだ。







頬の涙を誰かの手で拭われた。



まだ温かいその手に。



『‥‥こんなんじゃ‥死ぬに死ねないじゃないですか‥‥‥』



「‥‥‥Aっ‥‥」



『‥怖がらせて‥‥すみません‥冨岡さ‥ん』



痛いはずなのに、むりやり笑顔を作っている。



『本当は‥‥誰にも言わず‥死のうと思っていました‥‥義勇‥さんは‥‥優しいから‥きっと‥‥悲しい顔‥させちゃう、ので』


「ばか‥っ‥‥！！」



こんな時になっても尚、お前は人の事ばっかりで、痛いくせに無理に笑って‥




でも、俺はそんなお前がずっと、




「‥‥‥‥‥‥‥‥‥A」


ずっと、



『‥何‥ですか‥‥』









「好きだ。」




‥‥こんな時に言うべきことでないと分かっている。



Aを困らせるだけなのも分かっている。




でも‥今逃したら一生後悔すると思った。



すると、Aは困ったようなでも、幸せそうに目を細めて、微笑んだ。



『‥‥‥もう、なんで言っちゃうんですか‥



言われたら‥‥泣かない‥‥自信がなかったから‥‥冨岡さんを‥‥困らせるだけだから‥言わないと‥‥決めていたのに‥‥』



Aの声が震えてる。




『でも‥‥本当は‥‥伝えたかった‥‥



私は‥‥冨岡さんが‥‥好きです。大好きなんです』




Aの目から涙がでてきたのに、Aは笑顔で微笑んで‥言った。




『でも‥‥っ！！！』




『冨岡さん‥‥そろそろ‥時間です』




「いやだ‥‥‥‥っ‥‥！！！」




時間は、待ってもくれないなんて、ずっと知ってた。



でも、この時ばかりは時間がとまってほしかった‥

ありがとう、冨岡さん。→←事実。

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