式神生活〜ふわふわぽむぽむなキミ〜

俺の出来る事 ページ47

〜大倉side〜

倉「亮ちゃ…ｸﾞｽッ…亮ちゃん…」

婆「男がいつまでもメソメソと…」

お婆さんの手から出とる柔らかい光が少しずつ亮ちゃんの背中の血を止めていく

婆「九尾はこんな事でくたばったりする子やないっ」

うつ伏せの亮ちゃんの手を何度も握り直しながら必死に願う…

何がどうなって…こうなってもうたんか…
何もわからへんっ

わからへんけど…

今はただ…


亮ちゃんを助けて欲しい…

まだ亮ちゃんと一緒に居りたい…
まだ亮ちゃんと話したい…

もっと…亮ちゃんの笑顔見ときたいよ…
もっと…亮ちゃんとキスしたいよ…



キ…ス…


倉「っ…」


ぐいっ…


婆「これっ!!まだ動かしたらあかんっ!!
傷口が開いてまうやろっ(怒)」

うつ伏せの亮ちゃんを抱き上げて自分の膝の上に横向きに抱えた

婆「聞いとるんかっ!!(怒)」


倉「…」


今度は…俺が亮ちゃんを守ったる番…



倉「亮ちゃん…今…治したるからね？」



傷ついた身体を少し持ち上げてゆっくりと
唇をくわえこんだ…

何度も唇くわえ直しながら何度も重ねる…


婆「補充…か…」


俺が亮ちゃんにしたれる事なんてこれくらいしかあらへん…

妖力ないただの人間やし…ヘタレやし…金もないけど…

亮ちゃんの傷を癒したれる事は出来る…

俺が亮ちゃんにしたれる唯一の事っ…

倉「ﾊｧ…亮ちゃん…」

そっと前歯を舌でなぞると…微かに開く口…

「ﾊｧ…た…ぁ…よし…」

倉「っ…りょ…ちゃっ…(泣)」

持ち上がった手が優しく俺の頬を撫でた…


「なん…とも…な…い…？」


小さく傾げられた首をギュッと抱きしめる

倉「うﾞんっ…亮ちゃんが守ってくれたから
何ともないで？(泣)」

「そっ…か…//」

ギュッ…
倉「亮ちゃんっ…(泣)」

泣かんでや…って俺の頭撫でくれる亮ちゃんの手は…まだ弱々しくて
俺が守ったらなっ!!って本気で思うた


婆「九尾っ…その姿やと妖力もよう溜まらんし、動かすんも難儀やさかい
意識あるうちに動物んなっときっ」

亮ちゃんはお婆さんの言葉に小さく頷くと
俺に優しく微笑みかけてからふわふわの姿へ変わった

婆「さて、どうするかね？」

倉「え…？」

婆「山に運んで治療続けた方が回復は早いで？」

倉「…」

婆「手元に置いときたいか？」

倉「……はい…」

腕ん中の意識手離したふわふわをキュッと抱きしめる

婆「ほな、後はアンタがやったってなっ」

お婆さんはゆっくり立ち上がると窓から出ていった




今度は俺が亮ちゃんを守るんやっ…

命名!!→←怒り

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