すば るside ページ18
す「…」
亮が…
倒れた…
執事が血ぃ流した亮を抱えて俺の前を通り過ぎて
亮はそのまま病院に運ばれて行った…
何も…してやれんかった…
ただ…見てることしか…
幸いお腹の子も…
亮も…命に別状はないらしく
今はベッドで眠っとる…
出血は急激なストレスによるもんやって
医者に言われた…
間違いなく…俺のせいやっ…
俺のせいで亮は…
こんな辛い思いして…
もう少しで…お腹の子まで失わせてまうとこやった…
す「っ……」
眠る亮の手を握り許しを乞う
ごめんな…亮…
俺こんなんで…ほんまごめん…
亮を傷つけてばっかで…
涙の跡がくっきりと残る頬を撫でる
す「いっぱい…泣かせてもうたな…」
こんなにも亮の笑顔が好きなんに…
いつも泣かせてばっかりや…
す「ごめんな…」
亮「んっ…」
髪を撫でてると亮の瞼が微かに動いた
す「亮…？」
亮「………すば…く…？」
ゆっくりと開いていく瞳…
視線の先に俺を見つけると
ニッコリと微笑んだ…
あぁー…
亮や…
俺の…大事な亮…
この世でいっちゃん大事な…
俺の宝もん…
亮「すば…く…」
す「ん？どうした？どっか痛いんか…？」
小さく首を横に振る亮の頬に手をそえた
亮「ごめ…んな…」
す「えっ…」
亮…？
亮「嫌いに…ならんで…」
亮の目から大粒の涙が流れ落ちた
何で…
す「…なるわけないやんっ
何で亮が謝るんやっ!!謝らなあかんのは俺の方やのにっ…」
亮「すばぅ…くん…捨てんで…」
す「っ…」
亮「俺を…捨てんで…
お願いやから…
あの人んとこ…行かんで…」
す「っー…」
ギューッ!!
俺ほんまに何してんねんっ…
何で亮にこんな事言わしてるんやっ…
好きなヤツにこんな事言わせてっ…
す「ごめんっ…亮…ごめんっ」
亮を強く抱きしめながら…泣いた…
亮「すば るく…ごめんな…
俺…我が儘で…
すば る君の…自由…奪ってごめん…
やけど俺…すば る君の側に居りたいよ…」
す「ちゃうっ…亮…ちゃうよっ
俺やってお前と居りたいねん…
お前の側に居りたいねん…
他のヤツんとこなんか行かへんっ
お前の他になんて…
行かれへんっ…
俺やってお前とずっと居りたいっ」
亮「ほんまに…？
俺でええの…？」
この時の嬉しそうな亮の泣き顔…
俺は一生忘れへん…
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作者名：きっちょ | 作成日時：2016年8月25日 9時
