91話 夢の話 ページ48
「落ち着いた?」
ズビズビと鼻を鳴らして真っ赤になっているであろう目元を擦ろうとすれば彼奴から白い長い手が伸びてきて私の手を掴んだ。
「掻いちゃダメ。君はいつまで経っても子供だね。云われなくちゃわからない?」
子供じゃないと噛み付いて睨むと肩を竦めた彼奴が笑いながら私の話、今から一から十まで一回で覚えてね。なんて昔よくあった無茶振りをかましてくる。
「まず一つ目、此処は死後の世界だと云ったね?でも少し違う。」
細く長い指を一本立てて首を少し傾げた彼に私は後に叫ぶこととなる。此の説明を聞いて誰がはいわかりました。なんて納得して次の話を覚えられようか。
「此処は"神さま"に"作られた"、"登場人物の墓"だ。
で、二つ目………」
「待て待て待て待てーい!」
「うるさいよ、ちゃんと聞きなさい。」
「あんたこそ聞いて!?」
なんで咎められなきゃいけないんだとふんすふんすと頰を膨らませていると私の頰を人差し指で押して空気の抜ける音を聞き大爆笑していた、死ね。あ、死んでるんだった。
全くしょうがないなぁ、と目の前の腹立つ野郎は一から説明し始める。
まず一つ目、此の世界だけじゃなく、私たちの世界とも平行している世界が星の数ほどあるということ。
二つ目、その世界には総てを統じる"神さま"という存在がいるということ。
三つ目、私たちのように"作られたのが沢山いる"らしい。
なんというか、自分の頭の良さは理解してるんだが、それ以上に意味のわからない情報が入ってきて脳みそは
「その中でも君は初期値からトップクラスなんだ。」
総ては神さまが決めるんだけど此処の神さまは少し変わり者らしく、登場人物の初期値をダイスと呼ばれるサイコロで決めるらしい。
「ん?そうなると、お前が私を教育したのはその初期値を見抜いたから?」
「まぁ、そういうことだね。君も此処に来るまで何回も同じ夢を見ていたんじゃない?私もそうなんだよ。」
夢、私も、見た??
ある意味で私の見た夢は予知夢で、私が死ぬ事を示唆していた。銀時やトシ、新八、神楽、神威、色んな人が出てくる夢を見た。
まるで私がいないかなような夢で、其れはずっと前から、銀時と出会った時から見ていた夢だった。
私が"其れ"に気がついたのはある時、此奴が云っていたある言葉の夢を見たからだ。
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作者名:終夜 | 作成日時:2019年1月22日 2時