ちぐはぐコンビ (ページ47)

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90話大好きな君ページ47

あれ、此処は何処だろうか。私は誰だろうというど定番のネタは置いておいて私は辺りを見回した。

真っ赤な花に囲まれて上半身を起こしている状態だ。え、何、死後の世界？え？死後の世界？？と混乱している私は背後から近寄る誰かに全く気がつかなかった。

「一応此処は死後の世界であっているよ。」

急に誰かに話しかけられて体を揺らした。
背後を恐る恐るみると柔らかく微笑んだ忘れてしまった姿があった。

「」

「何を云ってるのかわからない。」

口を酸欠の魚のようにパクパクさせてなんとか言葉を出そうとするのに何も出てこない。
ずっと微笑んだままの目の前の友人は私の手を取って立たせた。
一面真っ赤に広がる世界にポツリと立っている私たち。
おいでと優しく彼がそう云うから目から涙が溢れてきてもう然程背丈が変わらない体に飛び込んだ。

「私の可愛い可愛い愛しい子、よく此処まで来れたね。」

「五月蝿えよ…！もう子供じゃない……！」

大好きだった其の大きな手、大好きだった其の言葉。彼は泣きつく私の頭をゆっくりとゆっくりと撫でていた。

なんで、どうして、色んな言葉が溢れてしまいそうになるけど私を包んでくれる大きなあったかい温もりにこれしか云えなかった。

「あ"えでよがっだ…！！」

「うん、うん。ずっと見てた。ずっと見てたよ。」

もう泣きすぎて何を云ってるのかわからないだろうけど心の底から会えて良かった。ずっと見ててくれてありがとうって思った。

「御免ね、大きな業を背負わせてしまって……。君をこんなにも傷つけた。君の心をこんなにも壊してしまった。」

腕の中で只々私は首を横に振るしかできなかった。沖田には悪いと思ったけど、私は此奴に会えた、漸く。師匠であり、友人である、彼に。

ずっと抱きしめられてずっと撫でられてずっと泣いていた。どれだけの時間こうしていたのかはわからないけど、この時間がずっと続いて欲しいと思った。もう二度と離したくないと思った。

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今気づいた、一回も師匠の名前だしてねぇわ。すんません。今後も出てくることは少ないです、名前は。