ちぐはぐコンビ (ページ42)

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86話殺してやるページ42

前話呆気なさすぎた？あれ？

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俺と彼奴が初めて出会った日、俺が払った殺す刀から守る刀へと変わるきっかけになった日。

朝から土方さんや近藤さんに大丈夫か？やれるか？等迚も心配された。俺はもう子供じゃねぇんだと子供なりに強がった。

宇宙海賊春雨が会合を開くらしい。其の情報を聞きつけてやってきたのは吉原だった。
初めて見た花魁や煌びやかだが何処か廃れている街並みに俺は自然と此処は嫌いだと感じ取った。

宇宙海賊春雨がやってきた事は俺たち人間が考えつくよりも遥かに悲惨な事をしてきていたらしい。

刀を構えて俺は隊士たちに行くぞと声をかけ、襖を蹴り破った。

「御用改めである！神妙にお縄につきやがれィ！！」

俺も隊士たちも中の様子を見て驚愕した。
其れも其のはずだ。俺と同じか其れ以下の子供が座敷の一番偉いさんが座る場所に堂々と座って酒を煽りながら此方をじっと見ていた。
其奴と目があった時、俺の体は一瞬恐怖で固まった。底のない闇の奥深くに誘われるような、そんな感覚がした。

「お前らは下がってろ、女は守れ。」

何人かの部下だろうか、其奴らは怯えきっている女を隅の方に寄せ、自分達は副団長！やっちまえ！と呑気に野次を飛ばしていた。
え、副団長？副団長！！？と言葉を噛み砕くのに時間を要したと思う。

よっこいせと立ち上がった女に緊張が全員に走り、そして女の姿を見失った。

端から順番にといった風に隊士の首がどんどん飛び跳ね宙を舞う。其れに恐怖おののいて逃げ出そうとするものなら頭に手をかけゆっくりと首を折る女に絶叫が部屋を木霊した。

「手前、いい加減に…！」

云いかけた時、瞬間間を詰められ蹴りを放たれた。幸いにも俺は女に目が追いつき蹴りを防ごうとした。ゴキっと嫌な音がしたと同時に腕に激痛が走った。あ、折れた、死ぬ。と第三者が感じた感想かよと思う程自分は死んだと思った。

「ひゅ～う、私の蹴りに追いつく人間いたんだ。」

楽しそうに口笛を吹いて俺が痛みに耐えて払った刀を多分態と食らった。
つくづく思う、こんな奴を前にしてよく生き残れたもんだと。

俺からは狙いを外し、俺以外の全員を殺した彼奴は先ず最初に部下を撤退させ、自分は傷だらけの俺と付き合った。

「いいよ、お前は生きろ。そんで私を殺してよ。」

「あぁ、云われなくても殺してやらァ、ゆっくり嬲って殺してやるよ悪魔。」

其れが彼奴との出会いだった。