ちぐはぐコンビ (ページ34)

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お前と共に飲む月見酒ページ34

捏造しまくります。ご注意を。

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朝から淡々とこなしてきた仕事が何も無くなった。

何故だか知らないが総悟は今日の夕方、目を赤くして帰って来て何処か吹っ切れた顔をして嬉々と俺への悪戯を仕掛けていた。

『惚れた女にゃ、幸せになって欲しいだけだ。』

そうは云ったが俺は彼奴を最期まで泣かせることしか出来なかった。

俺は縁側で一人月を眺めて酒を煽っている。

彼奴は、ミツバは真っ暗な闇の中に浮かぶ月のようだと思った。何時も俺達を影で支えて見守ってくれた月。暗闇の世界で生きる俺を照らしてくれた。

「感傷的になってやがる……。」

あぁ、早く夜が明ければいいのに。朝になれば全部忘れて仕事に集中出来る。

「おろ、一人で月見酒っすか土方の旦那。」

不意に塀から顔を出した万事屋のチャイナの姉の方。

俺は叫びそうになったが俊敏な動きで俺の元に来た其奴に静かにしろよ馬鹿と貶された。

「いや～、夕方沖田の事泣かせたまんま放置してしまってお詫びの品をと……。」

「お前が泣かしたのかよっ！！」

よく見ると大きな箱と筒状のものを持っていた。此奴が総悟を泣かせたって云うのにも驚いたがあの万事屋のとこの娘が詫びの品を持って来たと云うのも又驚いた。

早く出てけ、今は見逃してやる。と云ったのだが此奴は立っている俺の隣に座って床を叩いた、お前も早く座れと。

一回だけ殴ってやろうかとも思い腕を振り上げると顔の前に手を合わせ、あー！すんません！！直ぐ帰るんで！！と必死に云うものだから俺も隣に座った。

「いや、御宅の総悟さんに団子を買って来たんですよ。泣かせたから。」

「……渡しといてやる。でだ、お前は何の話題で総悟を泣かした？」

びぇぇ恐ろしやと大して怖がってなさそうに云ってくる。俺を煽っているのだろうか。矢張り万事屋の連中はいけ好かねェ。

「……お姉さんの事、結構引きずってたからちょっとだけアドバイスみたいなのしたら泣いちった。」

だろうなと俺は返した。総悟はここ最近嫌がっていた仕事にのめり込み、夜は寝ていなさそうだったから。

一応ザキに総悟を見張らせてはいたが此奴が絡んでくるとは思いもしなかった。

「にしてもあんたも結構引きずってんね。

んで、相当なブラコンだ、うける。」

月を眺める此奴が俺をちらりと見てそう云った。

俺は其の言葉にいっぺん死ねと返し月を見上げた。