71話 通りすがりのヒーロー ページ25
丁度瓦礫が重なって空間ができた場所に閉じ込められた子供。奇跡としか云いようがないな。
実際、此のビルには何人もの死体が埋まっているのだろう。
其の大きな瓦礫を崩れ無い様に気を使いながら退かせた。
「おい坊主、」
わんわん泣いていた子供は私の姿を見るなりもっと泣いてしまった。
そっと子供を抱き上げてもう大丈夫だと頭を撫でる。
子供は私の肩に顔を埋めてぎゅっと弱い力で必死でしがみついた。
「お姉さん、此の子だよね？」
寝かせて居た女性は腕を顔に置いて泣いて居た。
女性に声を掛け、子供を隣に寝かせる。
母親は子供を見るなり抱き締めた。
「んじゃな、後は身を隠せ。」
「あ、貴方は…！？」
「通りすがりのヒーローです。」
二人の頭をふんわりと撫で、ピースサインをしてビルから出た。
唐突に爆発音が聞こえ爆豪が飛んで行く姿を見えた。
遠慮する必要はもう無くなった、って訳だ。
だが爆豪を追いかけようとする奴らがいた。
「退けオールマイト！！」
攻撃を仕掛ける次いでに追いかけようとした奴らを二人蹴りとばした。
一人飛んで行った奴がいるがMt.レディによって其奴も阻止された。
そして八木に声を掛けると驚きながらも即退いた。
蹴りを放つと漸くこの男の腕がぶるぶると震えた。
「耐えるのかよ…！」
本気で此奴人間じゃねぇぞ！！
八木に此の男を任せて自分は後ろに飛び退く。
「よぉ、死柄木弔。」
「お前も、お前も！！」
と叫ぶ死柄木を一旦片そうとすると隣に凄いスピードのグラントリノがやって来た。
「おい爺さん死にたいのかよ。」
「何を若造が。」
二人で死柄木弔とトガを片そうとすると邪魔する様に金属の様な物を伸ばしてオネエに突き刺す。
そしてトガの元に気絶させた
後を追おうとする爺さんを遮る様に黒い何かが現れる。
私は爺さんを放り投げて自身が黒い何かに体を貫かれる。
「ぐ、ぅ！！」
心臓近くを貫かれた。此れはえらい事になった、死ぬ。血の出し過ぎで死ぬ。
グラントリノが目を見開き空中で体制を変えて私を抱き抱えたまま後ろに後退して先程から出ている鼻血を黒い手袋で拭った。
「おい、若造…！」
「……舐めないで、くださいよ…爺さん。」
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作者名：終夜 | 作成日時：2019年1月22日 2時
