ちぐはぐコンビ (ページ3)

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49話支えるページ3

「林間合宿について…？」

「あぁ、お前らの意見を聞きたい。」

生徒達の期末試験が終わったと一息つけば今度は林間合宿だ。

相澤は神月と沖田に林間合宿の日程の再確認と”本当に”此れで善いのかと意見を求めた。

「漸く、内通者の話が出た所ですかィ？」

「……最初からわかってたな、お前ら。」

おおっといけねェやと態とらしく云い神月を見た沖田と溜息を吐いた相澤。

「マスコミが侵入して来た時から。

林間合宿の内容自体は善いと思うけど、場所は絶対に漏らすなよ。

内通者が居るか如何かを探る。」

それは分かっていると返す相澤。

顎に手を当てて考え込む。

襲撃が有る、と考えた方が良さそうだろう。
内通者が居ると想定すればの話だが。
今回はB組も居る合同合宿、最悪の事態にならなければ善いが…。

最悪の事態が真っ先に頭を過ぎった。

「まァ、今回も何とかできる。」

序でに敵のアジトを叩こう。

林間合宿で襲撃が有ると仮定するとB組の授業も一度見に行かないといけなくなる。
其処でどう個性を伸ばしていくのかを決定する。

「B組の期末試験見に行ってくる。

今なら未だ間に合うだろ。」

A組とB組で期末試験の日時が一日ずれていた。

外套を持って仮眠室から出ようとする。

もう直ぐ夏休みで暑い日が続いているのにも関わらず外套を着て、其の下には全身包帯でぐるぐる巻きになっている。

迚も暑苦しい。

「流石に外套は置いてけ。熱中症になるぞ。」

相澤から遠回しに見ていて暑苦しい。と云われた神月は外套は置いて番傘を手にして仮眠室を後にした。

神月が出て行った数分後の事＿＿＿

「沖田、お前アイツの昔の事知ってるか？」

相澤は大人としても教師としても底無し沼の様な闇を持つ神月を放っておく訳にはいかなかった。

偶に見せる全てを諦めた表情、生きる事をやめた様な言動を。

「…今も昔も哀れで莫迦な奴でさァ。」

目を伏せてそう云った沖田は憂いのある表情を相澤に見せた。

「俺ァ昔は憎んで、彼奴を殺してやるって思ってやした。

其れ位ェ、彼奴は荒れに荒れてやがった。

だが今はそうじゃねェ。彼奴と会う度に悪い奴じゃ無いって事を思い知らされやす。」

だから自分でも如何すれば善いのか、何が最適解なのか分からなかった。

相澤は只、何も言わず真っ直ぐに沖田を見た。