64話 完全敗北 ページ18
事件から二日経った。
雄英側の完全敗北。三名の行方不明者、多くの重軽傷者も出た。
世間は此処ぞとばかりに雄英を責め立てた。
俺は後一歩の所で間に合わず、ワープゲートに吸い込まれていく爆豪を、悔しさで絶叫する緑谷を見ている事しかできなかった。
結局彼奴も居なくなった。
「沖田さん。俺達は行きたい、救けたいんだ。」
”たすけたい”と俺の目真っ直ぐ見て言う俺と緑谷や他の生徒の見舞いに来た轟と切島。
「未だ、未だ待て。雄英が行動を起こすはずでィ。その時がチャンスでさァ。
それに彼奴がそう簡単に捕まるわけがねェ。」
そう、警察の、俺達真選組の目を、春雨の目を掻い潜ってきた彼奴があっさりと捕まるわけがないのだ。
先を見通す彼奴の事だ。何か策があるに違いない。
「兎に角、俺から云える事ァ”爆豪は”無事って事だけでさァ。」
俺は自分の身体の丈夫さに感心した。
保健室のばあさん曰く”普通”は死ぬレベルの出血だったらしい。結構ピンピンしているがばあさんに大事をとって入院をさせられた。
相澤さんからもお叱りを受けた。彼奴が居なくなった事について聞かれたが、生憎俺はなにも聞いては居なかった。
勝手な事をしやがって、彼方に帰ってから彼奴に怪我でもあれば俺は殺されかねない。本気で。
何をしようとしているのか、思考が読めない。偶に諦めた様な表情を見せる彼奴は顔だけは綺麗で、世の中の男共、いや女も騙されるなよ？
『…弱くたっていいんじゃねぇの。』
優しく微笑んだ彼奴の顔が脳裏に過ぎった。
あぁクソ。俺は何時も彼奴に、神月に振り回されてる。
思いっきり舌打ちをすると轟と切島は肩をビクつかせた。
「ど、どうしたんだよ沖田さん…。」
「いや、死にてェ位ェ嫌な思い出が蘇っただけでさァ。」
「それ相当だな！？」
ーーーー
戦闘シーン入れたかった…。
補足、沖田さんはずっと森の中を走り回って敵を斬りまくって居たので原作では三人確保となって居ますが、雑魚含めて結構な数の敵が確保されています。
以上。
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作者名：終夜 | 作成日時：2019年1月22日 2時
