48話 期末試験 ページ2
生徒達の地獄とも呼べる期末試験の筆記が無事に終了した。
だが此処からが雄英の期末試験本番となる実習試験だ。
ずらりと並ぶ教師陣の前にコスチュームを着た生徒達が立つ。
相澤がボードを持ち、此の試験でも赤点は有ると云う。
そして葉隠がある違和感に気づく。
「先生多いな…？」
そして生徒の内二人がロボだ、花火だと叫ぶ。
「残念！諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ！」
赤点、と云う言葉に追い打ちをかけるようにロボ演習から内容を変更する、と相澤の拘束具から出てきた根津が云った。
「二人一組でここにいる教師一人と戦闘を行ってもらう！」
全員が驚愕の声を上げるが其れを無視した様に相澤はチームを読み上げていく。
「はいはーい！神月さんと沖田さんは？」
葉隠が聞くが相澤が応える前に神月が応えた。
「私達が戦うと無双する、以上。」
ーーーー
巨大なモニターの中で戦う生徒達を見て其々にチェックを付ける。
「アンタそんな事までしてるのかい…」
「うん、でも一気には難しい。」
判断力、協調性、対応能力等各十点満点で其々のチームを評価する。其れと思った事を書けとボードを渡された。
因みに沖田は隣で寝ている。
一気に其々を見る、と云うのは迚も神経を使う。だからなのか、背後の気配に気がつかなかった。
大半の試験が終わった時、背中に衝撃が走る。
「神月さん〜！！」
「はい、麗日邪魔。見てるんなら止めろ八百万。」
衝撃が来た瞬間にボードを裏返してモニターから目を離さずに麗日と八百万にそう云う。
ちぇっと云いながら離れる麗日と仔犬が叱られた時の様な声で申し訳ありませんわ。と八百万に云われる。
「…後で仮眠室においで。」
「はいはい。神月、アンタはこっちに集中だよ。」
ボードに早いスピードで採点を書き込んでいく神月。
漸く其れが終わり、頭を掻いて背凭れに体重を預けて一つのモニターを指差した。
「ばあちゃん、緑谷と爆豪怪我して帰ってくる。」
「…また、手加減も知らずに！」
隣で怒っているリカバリーガールを余所目に神月は沖田を蹴り飛ばした。
「いい加減起きろ。」
腰を抑えて神月を睨む沖田。
「…手前、怪力、なのを…自覚しろィ。」
生徒達にとっての、彼等にとっての日常がまた始まった。
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作者名：終夜 | 作成日時：2019年1月22日 2時
