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ちょっと小話 ページ33

ちょっと前に沖田にも聞かれた事が有った。
「お前を”作っているモノ”はなんだ」と。聞かれた時は何言ってんだ此奴とは思った。


「私を作ってるのは……美味しい飯。」


「…は?」


巫山戯て其の場は返したものの当時の私は結構荒れていたのかもしれない。


自分を構成するモノなんて、闇と死体の山。
”彼奴”との約束通りに陽の当たる場所まで戻った、は善いものの自分を惨めにさせた上に光と闇が隔てる壁はどれだけ大きく分厚いモノか実感させられた。


「神月さんんん!!」


「抱きつくな、芦戸。」


頼むから光が満ちた眼で見ないでくれ。希望と云う光が宿っている瞳で。お前達の世界は夢と希望で、光り輝いている。


じゃあ私は?私の瞳には何が映っている?彼方此方に散らばった四肢?首?死体の山?私をずっと捕らえている世界は何処を見渡してもどす黒い闇で、血の海で覆われている。


あァそうか。其れが隔てる壁なんだ。迚も白く輝いている世界で生きている人間とどす黒い闇の中で生きている兵器(わたし)の世界。


嗚呼、血が疼く、身体が乾く。血が、野性の血が身体を、思考を支配する。


「君達は何を抱えているんだい?」


「さァね」


抱える?そんな甘っちょろい言葉なんかで云い表せて善いものか。


『…神月、お前は…光が差す世界で生きていいんだよ…。』


呪いの様な約束を遺して逝った”彼奴(友人)”に嫌気が差す。私は、如何すればいいの、陽の当たる場所なんて、干からびてしまう。


_____お前は私に、光の、陽の当たる場所へ行っても善いと教えてくれた。


そんな呪いの様な約束を果たすために此処まで来た。


なのに、感じさせるのは絶望しかない。


私は光の世界では生きていけない、暗闇の世界で血と欲と死に塗れた所でしか生きれない。


私を捕らえている枷はもう誰が外そうとしても外せない大きく重いものになっていた




ーーーー


何をしたかったんだわしは……

31話 安直だ!なんて安直だ!→←30話 分からない


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終夜(プロフ) - ありがとうございます!更新は遅くなると思いますが、なるべくあげられるよう頑張ります! (2018年11月16日 21時) (レス) id: 7b6e0d6279 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 沖田君と神月ちゃんのやり取り好きです!これからも更新頑張ってください! (2018年11月16日 19時) (レス) id: e3333da4ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:終夜 | 作成日時:2017年8月23日 13時

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