9話 クラスの人気者は毎日大変だな ページ10
久しぶりにクラスに顔出ししたらクラスメイトたちに泣かれたのは新しい記憶だ。
「今日は知らせがある」
パイプ椅子に座る猫又監督から部員たちに合宿があるのと梟谷グループに烏野高校を誘うことを伝えられた。
まあ？数日前から？私は？聞いてましたよ？
「まだ、詳しいことは後日、なんですけど」
「お前達、期末テストは忘れてないだろうな」
罪人を断罪するような空気が流れて監督の鋭い目付きに約数名が目をそらした。
「忘れてないだろうな？」
大事なことなので二回言いましたと言わんばかりに二度繰り返した監督の威圧に耐えきれなくなり白目になった虎を見て私は笑っていた。
「まぁ、どこの学校でもそうなんだけど、赤点が出た場合は合宿に行けませんので悪しからず」
私かそういうと何人かから魂が抜けた。
嘘だろ一年ほとんどじゃねぇかよ。
黒尾、お前は受験生だろ。
「……なに悟ってんの虎。」
「まぁ、そういう子がいると思って一年の時とニ年の時のノート持って来た。」
自分の鞄まで歩み寄ってノートの束を抱えて戻る。但し二年のは夏までだけどな。
「……遥さん！！大好きでずぅぅう！！」
「え、うんありがとう」
涙を流しながら私にしがみついてくるリエーフに三年生特に夜久の背中に般若が見えた。
夜久にしばかれているリエーフを横目に私は研磨に袖を引かれた。
「遥、頑張ったら……ご褒美ちょうだい」
「なにほしい？研磨」
「…撫でて」
「ん、わかった」
少し嬉しそうに目を細める研磨とええ！と羨ましそうな声が上がる後輩たちが可愛すぎると口元を押さえていた。
「さて、赤点取らなかったらみんなにデコチューしてあげるから頑張れ」
そう言うと数名から炎が上がった、虎お前そんなに嬉しいんか。
自分の顔は生かすのみってね。
その後は音駒での勉強会をした。
高校一年の内容って二次関数とかまだ三年に比べて簡単な内容だったが中学までの基礎ができていないやつはボロボロでもう不安しか感じなかった。
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作者名：終夜 | 作成日時：2017年7月18日 14時
