11話 お姫様と王子様は結局ハピエンになる ページ12
「ど?」
「さすが俺」
「私が着た感想それかよ」
まぁ、メイクもなんもしてない状態だけど鏡に映った自分はさながらお伽話のお姫様のようで、魔法にかかってるみたいだった。
私がいつもよりもっと綺麗に見えた。
幸はすごいな、魔法使いだ。
「メイクも、髪もいじらせて」
「…おー」
メイクされてる時に幸の顔をまじまじと見ると女の子みたいだと言われるようだがプロの顔をしている時はとてもカッコいいと思う。
普段は可愛いのにこういう時カッコいいなんてギャップでモテるんだろーな、と色々考えていた。
「できた」
「おお、まじでシンデレラ」
「モチーフはシンデレラだけどあんたが着るとまた別のお姫様みたい」
「…褒めてんの?」
「褒めてんの」
あの幸が褒めてくれた事に少し頰を緩めて笑うと幸は満足そうに歯を見せて笑った。
しばらくバックれてたからこの服のまま戻ろうと言うことで幸が王子様みたいに手を引いてくれる。
中学生のくせにかっこいいなおい。
ーーーー
幸に手を引かれたまま談話室に戻るとまだ私の合宿に関して熱弁している人たちがいた…。
談話室に入った瞬間に目を見開くのが何人か、駆け寄ってくるのが何人かいた。
「おお、遥くんはまるでお姫様のようだ!あぁ、詩興が湧いてきた!!」
密が即座にうるさいと言って私に目をやってから綺麗だよと頭を一撫でしてペンペンの待つソファに戻っていった。
シトロンは私に手を差し出して MyPrincessと談話室の合宿に関して白熱している空間までエスコートしてくれた。シトロンとは反対側の手を椋が掴んでくれて、普段王子様になりたいと言っている椋が王子様に見えた。
白熱している空間に放り込まれた私は熱弁している紬と至の頭を叩いて黙らせた。
「いい加減にしろ?行くったら行くの!」
結局は行く事になったけれどまだあーだこーだ行っている至の結んでいる前髪を解いて整えてから一成か臣に写真を撮ってもらうように提案する。
至と撮った次は私が一緒に撮りたかった椋と太一と撮った。
その後は勿論お姫様気分を味わせてもらってその中で臣と一成だけじゃないけど沢山の写真を撮った。
インステには上げずに至が俺の妹と顔にスタンプを押した写真をたるち垢で上げていて、たるちもしかしてシスコン説?というのが飛び交っていた。
その中で私は、みんなの中に私が残っていればいいなと思った。
12話 爽やかくんは好きです、推しです→←10話 愛されマンうらやまちぃ
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作者名:終夜 | 作成日時:2017年7月18日 14時