祓い屋と斑とあやかしと【夏目友人帳】

８ ページ8

.





「チッ」


「口が悪いですね。本当」



目の前にいる的場。前に一度会ったことがある。たった一度だけなのに知った風な口聞くなよ。


ドタドタ歩き回っていたら捕獲された。


手錠みたいなやつでガッチリ縛られてしまった。ちょっとーアザつくじゃないかー。

牢屋に押し込まされて見下される今の気持ち？最悪だよ。くそだよ。ちょっとお前ぶん殴らせろ



でも、見つかる前に動き回ったから何となく白火がいる場所は分かった。


…片割れはどこだー…。


白火は力が強いから何となく分かるんだけどさー片割れはヘボだもん。

早く見つけないとヤバイよねー。


あ、的場消えてった。



足音が聞こえなくなったので解除用の針金を取り出してがちゃがちゃする。



「おーし。行くぞー」



牢屋の鍵も開けて来た道を戻る。



「戻ってください」


「あー、あんなところにあんなものがー」


的場が待ってた。

典型的な逃げ方しようとしたけど無駄みたい。



「良咸を返して」


「なんですか、それは」


「サイコパスかよお前だだだ、いだい！！」



嘲笑いながら言うと腕をギリギリと締め付けてきやがった。なんと言うことでしょう折れるかと思いました。

こいつさ、自分の細さ分かってるとは思うけどお前は私からみたら大きいんだよ、背も、腕も、肩も。


容赦ないところは仕方ないと思うけど折んないで。折れると思うまでギリギリしないで。



「いったいぃ…お前本当ふざけてる」


「ふざけてるのは貴方ですよ、全く……」



.

９→←７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す