3≠國神錬介▷恋人version ページ5
恋人version
“海の波風を聴く”
『いいねぇ〜こんなに穏やかな日がくるとはね』
浜辺にある、流れ着いた巨木の上に座り波の音を聴く。波の音は何故こんなにも心を穏やかにするのか、眼をつむって浜辺に寝転がってみる。
地球最後の日だからって浜辺には私達しかいない。隣からザッと音がしたので彼も寝転がったのだろうと察する。
「なぁ、Aは今幸せか?」
ふと、落ち着いているけど震えた声で聞かれた。
『勿論、世界で一番大好きな人と一緒にいれるんだからさ。幸せすぎて今なら泳げるよ』
私めっちゃカナヅチノでさ、小学生用のプールでさえ溺れそうになったのよ。だけど、今なら大人用のプールでも海でも太平洋でさえ泳いで横断することもできるかも
「ふっ、カナヅチノのAがか?」
『それくらい幸せってことー、國神くんこそどう?』
「めっちゃ幸せ。世界で一番愛おしいAとこんな穏やかに過ごせてるからな」
『キャ、貴方はそうやって照れることを簡単に言う…どれくらい幸せ?』
「う〜ん、ふやけたシリアルを無限に食べれる位」
『えぇ!?罰ゲームみたいで無理って言ってたふやけたシリアルを無限に!?ハハッ、めっちゃ幸せじゃん』
あんなに苦手って言ってたのに、そうかそうかとニコニコしてたら、また隣からザッと音がしたから目を開けた
『どうしたの?』
彼は起き上がってこちらを見ていた。不思議に思いこちらも起き上がり、向かい合って座っている形になった
「これ渡そうと思って」
おもむろに私の手をとり、それをはめた
『こ、これって』
「ああ、俺と結婚してくれ」
左の薬指にはめられたのは指輪。もう、最後の最後に嬉しいことしてくれるじゃん、涙もとまらないし、幸せの絶頂
『勿論、いいに決まってるじゃん』
彼に抱きつけば力強く抱き締め返して、頭をそっと撫でてくれる。そして何十分も何時間も抱き合った。幸せの絶頂のままなんて、なんて美しい終わり方なのかり。私はなんて幸せ者なのか。
私達はきっと離ればなれにならない、
この世界が終わっても
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作者名:スメナリ | 作成日時:2023年3月25日 21時