第４話 ページ4
優しい言葉、嘘でもいいから掛けて欲しかった。
壊れる前に、助けて欲しかった。
「離して、
味方なんて要らない。
今更……ッ」
ホークス「ダーメ。
それ以上は言わない。
自分が苦しいだけだよ。
信用してもらえるよう俺頑張るから
一緒においで……」
「頑張る？
要らないッ
情けを掛けられるくらいなら関わらないでよ！！
私には全部必要ないんだッ
貴方と居てなんになるって言うの？
人助けなんかただの自己満じゃない。
本物のヒーローなんて居ないんだから、
偽善者がいくら繕ったって無駄なんだよ！！
人の心を弄ぶなッ！！！！」
心のモヤモヤを全て吐き出してしまった。
＿＿違う。貴方に当たりたかった訳じゃないの。偽善者は私。貴方に当たり散らすなんて愚かだ。分ってるよ。今の自分が傲慢で情けなくて幼稚だって…。
「…………ごめんなさい」
小さな謝罪は彼の耳に届いただろうか。惨めな私をさっさと見捨てて。これ以上、勝手な期待を抱かせないで。
罵ってくれ、罵倒を浴びせてよ。慣れてるから、傷付く事なんてない。
ホークス「君は優しいね」
「ぇ……」
何て、言った？優しい？
ホークス「俺以上に傷付いたって顔してる。
後悔してるでしょ。
酷いこと言っちゃった、傷付けちゃったって。
気付いてないかもだけど、君は心の底に優しさを隠してる。
自分のための優しさをね。
殻に籠らずに、出でおいでよ。
怖い物から守ってあげるから」
嗚呼、これは罠だ。この人も私を苦しめるんだ。
頭ではなんとでも言えよう。けど、心に隙が出来た今の私は彼に縋ることで隙間を埋めてしまう。
嗚呼、弱い。私は弱くなってしまった。
こんなの私じゃない。でも、心が軽くなった。仕方ない、暫くは我慢するか＿＿
ホークス「寝ちゃった……」
どうしようかと頭を抱えるが、Aの安心しきった寝顔を見て一旦考えるのを止めた。たった数分の出来事なのに心も空気も重くなった。
見回りの最中、君が全速力で駆けている姿を見て胸騒ぎがした。怪物に追われているかのように逃げ惑う君を助けなきゃいけない。そう思って後を追ったのだ。大丈夫、きっと助けるから＿＿
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作者名：(仮)複数名前保持者 x他1人 | 作成日時：2022年12月5日 0時
