__懐中電灯 2 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,670 hit

36 ページ6

忠義『俺な、Aちゃんの事
俺とは違って本間は強い子なんかなって思っててん。だから、もしかしたらこの子は放ってても大丈夫かも知れへんって。』

『…え』

忠義『でもちゃうかった。

思い出させたくないんやけど、
電車で痴漢された時、Aちゃんの表情見てたら、本間に怖がってて
助け求めてて。

あの時同じ電車乗ってて本間良かったなって。』

『・・・』

忠義『強がってるんも、疲れるで？

Aちゃん、まだ16歳やし
まだまだ人生これからやん。

親のせいで、人生捨てるような事
して欲しくないな。

助けて欲しい時は、"助けて"って
誰かを頼ったら良いねん。』

『…忠義さん、』

忠義『ん？』

『・・もし、私が助けてって言ったら、

手、差し伸べてくれますか…？』

忠義『…Aちゃん。
当たり前やん。Aちゃんにとってはただの再婚相手の子供かも知らへんけど、俺にとってはもう、
大事な妹やで？』

『…忠義さんっ、

助けて下さいっ、』

私は初めて人前で泣いた、

忠義さんも泣いてた。

信ちゃんとマスター以外に
信じられる人間なんて居ないって思ってたけど、

また1人、

頼れる人が増えた気がする。