リナリア［短編集］

密着 〈サイバーマン〉 ページ8

私たちのクラスは不思議なほど仲が良い。

今日の昼休みもみんなで

校内かくれんぼをする。


鬼に捕まらないよう、必死に隠れ場所を探す。

そして、私が見つけたのは、


体育館倉庫にある跳び箱。


『この中入ればさすがにバレないよね(笑)』

「あれ、Aもここか(笑)」


話しかけてきた、いや


中にいたのが私の好きな人、サイバーマン。


みんなからサイバ、サイバって呼ばれてる。


好きな人と一緒に隠れるなんて心臓が持たない。


『あ、サイバもここやったんね(笑)

あっち行くわ！』

「待って、鬼来た。」


そう言って私の腕を引いて

跳び箱の中に閉じ込めた。


密着。


『ちょっ、サイっ…!』

「シー。静かにして。

鬼がうろちょろしとるん。」


不意に口元を手で抑えられて、何も言えなくなった。

沈黙が続いた＿＿＿＿３０秒だけ。


『サイバ…!緊張するやろ、口塞がれて…』

「そーなん？じゃあ…」

(ﾁｭｯ)

『…ちょっ…!』

「手が嫌なら口かな〜って」

『サ、サイバのバカ…。』

「好きな癖に〜!」


なんて大きな声で言い合ってたら

鬼に捕まるのも

おかしくないよね。

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