リナリア［短編集］

ハグ 〈てつや〉 ページ6

私は東海オンエアのてつやと幼稚園からの幼なじみ。


たまにてつや家に寄るときは撮影の手伝いしたりしてる。


でも、今日は疲れて寝ちゃってる。


『(小声)てつや…？私もう帰るね。

頑張り過ぎないように。

てつやの好きなものたくさん机に並べてあるからね。』

「んむー。A…？」

『あれ、起こしちゃった。ごめんごめん。』

「もうちょっとAといる。」


そう言って立とうとしていた私の足首をガシッと掴んだ。


「A、足ほっそ(笑)

何か、小さい頃となーんにも変わってない。」

『そんなことないし。

身長とか、顔とか、恋愛事情とか…？』

「確かに、Aの恋愛あんまり聞いてこなかったかも。

気になる〜!!」


冗談で言ったつもりの私の恋愛事情を

てつやに掘り下げられてしまった。


「で、で、今好きな人いるの？」

『え…んーまぁ。』

「ズバリ！その人の名前は!？」


てつや

…なんて言えやしない。


ずっと言うのを躊躇っていると、


「あ!もしかして…

わし!？」


てつやが冗談で言ったことなんてわかってる。


「え、A、顔真っ赤っかだけど。

ほんとにわしのこと好きなの…？」

『(ｺｸﾘ)。』

「そっかぁ!

わしもAのこと大好きよ〜!!」

『えっ!？うわっっ!』


いきなり勢いよく抱きつかれた。

ちょっと苦しい。


『ちょっ、てつや。苦しい〜』

「こんくらい普通〜!!」




ちょっと苦しいけど、

自分の顔の隣に鮮やかなオレンジの髪とキラキラしたニコニコ笑顔があるから


もうちょっと、このままでもいいかな。

初恋 〈いっくん〉→←カラコン〈アレックス〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す