リナリア［短編集］

メリット 〈ジョージ〉 ページ2

ジョージと付き合って１年ちょっと。

日本を拠点にして活動することになってから、

私たちは同棲を始めた。


「Aって身長高い方じゃん？

ま、俺よりチビだけど。」

『最後がやかましいわ。

確かに、大きい方。』

「やっぱ、男として女を自分の胸に閉じ込めたいっていう願望があるわけよ。」

『あ、そうなの。

それならもうちょっとジョージ頑張らないと。』

「でも、身長差があんまりないのもいろいろメリットあるんだぜ。」

『例えば？』

「手繋ぐときにお前の腕が疲れないこととか、

お前が俺にキスしたいなってなったときすぐできるとか…」


ジョージ、ほんとはそんなのいいんだよ。

どんなジョージでも好きだよ。


「試しにやってみるか！」


そう言って思いっきり腕を広げたジョージ。

私も同じ勢いでジョージの胸に飛び込む。


『あ、

ハグしてお互いに肩に顔を乗せられるの、

なんかいいね。』

「確かに。それ、新発見!」


(ﾁｭｯ)


『え。』

「えって(笑)

今俺がキスしたかったから、しただけ〜。」


(ﾁｭｯ)


『仕返し。』



今日もこの家は平和です。

目の前 〈みの〉→←お手伝い 〈ジロー〉

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す