第二話「化け物」 ページ3
全てがスローモーションになっていく中、思考だけが超スピードで回って、反射的に動かした視線がシルエットからゆっくりと全容を捉えていく。
丸い目が3つ。縦に裂けた口。下半身に夥しい数の手。
一つずつ要素を捉えていく度に全身から危険信号が発される。
コイツは化け物だ。
勢いよく踏みしめた二歩目をどうにか奴とは真逆の方面へと向けて、私は一目散に駆け出していた。
____________________
はい回想終わり!!
アイツが追ってこなければこんな回想せずに済んだんだけどなーーーーーーッッッ!!
けど現実は非情。追ってきている奴の夥しい数の手が床を叩き、まるで拍手の嵐のような音が後ろから聞こえてきている。
いやしっつこ。しつこ過ぎ、見逃してくれよォ(泣き)
もうどれだけ走ったか分からない。足元はフラフラ、脇腹は痛み喉奥から血のような味がする。辛い、苦しい。走る速度が段々と落ちて、奴の足音も段々と近付いてくる。
その時、ふと視線の先にお目当ての階段があるのが見えた。これを降りれば逃げることが出来る!
その瞬間、スカートの裾を掴まれた。
マズいと思った矢先、強い力で後ろにグンと引っ張られる。
終わった、今度こそ私の人生は終わった。
そう思った。
ばつん!!!!!
何かが弾けるような、勢いのある音が聞こえた。
……気がつくと私は前のめりで倒れ込んでいた。
酷い耳鳴りがする。倒れた際打ったのだろう両掌と胸が痛い。
一体何が起こった?
眼鏡を上げ直し、うつ伏せた姿勢のまま後ろの方に視線をやると、私のスカートの裾に恐らく奴の物だと思われる病的に色白な腕が、腕だけが残っていた。
第三話「だってよ…腕野郎……腕が!!!(ドン!)」→←第一話「カゲ〇ウデイズ」
84人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
人造人間名無し号(プロフ) - りり兄さん» ありがとうございます!マイペースに更新していきます! (10月31日 7時) (レス) id: 302ec2dd68 (このIDを非表示/違反報告)
りり兄(プロフ) - 最高です!!まじ応援してます!更新がんばってください…!o(^-^)o (10月30日 14時) (レス) @page37 id: f01e3b9817 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:人造人間名無し号 | 作成日時:2023年8月25日 15時