【呪術廻戦】モブ顔オタクのトリップ話 (ページ20)

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第十九話「beautiful……(ネイティヴ)」ページ20

その日の放課後。
窓の外の夕焼けをボンヤリ眺めながら寮へと帰ってくると、私の部屋の隣の部屋の扉がガチャリと開いた。
不審者かと思い咄嗟に身構えていると、中から欠伸をしながら出てきたのは明るい茶色のショートの女の子だった。私よりほんの少し背の低い、涙ぼくろが似合う大人びた子。
反転術式の使い手、家入硝子である。

え、国宝級の顔面過ぎんか？モデルさん？女優さん？凛々しい眉毛にタレ目、ぱっちりまつ毛に薄く色付いた唇。美人過ぎんか？？てか今隣から出てきたよな？お隣さん？？隣？最高？？

あまりの顔の良さに見惚れていると、彼女もこちらに気付いたようで右手を軽くあげてヒラヒラと振ってきた。慌てて会釈をすると、ゆったりとした足取りでこちらに近づいてきた。

「君がA？」
「え、あ、はいそうです！」

息を飲むような美人を前に緊張してしまい、思わず裏返ってしまう返事。頬が熱くなっていく感覚を感じていると、硝子さんはクスリと笑いながら会話を続ける。

「灰原から聞いたよ、任務先で保護した翌日に同級生として紹介されて驚いたって」
「あぁ……」

家入さんの言葉に嬉々として語る灰原くんの表情が脳裏に浮かんだ。なるほど、だから私の名前も知っていたのか。彼女は改めてこちらに向き直る。

「家入硝子。君の部屋の隣で暮らしてる。気軽に硝子って呼んでいいよ」
「あ、はい！硝子、さん」

流石に呼び捨ては悪いと思いつつ、お言葉に甘えて下の名前で呼ばせていただくことにした。彼女はポンポンと私の肩を叩くと、そのままヒラヒラと手を振りながら私が来た廊下を歩いていった。その一連のスマートな動きにはわわと生娘のような反応をしつつ自室に戻った。

どんどん主要キャラとの接点が増えて、なんだか乙女ゲーの主人公になった気分だ。とりあえず今日から部屋の騒音(主にオタ活での猿叫)には気を付けないとと心に強く誓うのであった。

本気(マジ)で心に強く誓うのであった。